「賢い子に」育てるには、何歳に何をすれば良いの? ー脳の成長年齢マップー

 

プロフィール

瀧 靖之(たき やすゆき)/東北大学加齢医学研究所教授。医師。医学博士。1970年生まれ。1児の父。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。『16万人の脳画像をみてきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は、10万部を突破するベストセラー。最新の脳研究をふまえた「科学的な子育て法」を提案。

 

「賢い子」に育てるために6歳までに何をすべきかですが、それを回答するにあたり、前提として「脳の発達がどのように起きるか」を知ることが重要です。

私たちや子どもたちの脳は、生まれてから全ての領域が、いっぺんに発達をして、いっぺんに全ての領域が、発達のピークを迎えるのではありません。

ある領域は、非常に早いタイミングで発達のピークがきます。

また別の領域は、生まれてから時間が経ち思春期くらいになってから、やっと発達のピークがきます。

つまり、私たちや子どもの脳は、場所によって発達のピークが違うというのが大前提です。

その前提をふまえて考えると、脳のどの部分が、「どの時期やタイミングでピークがくるか、そして、その脳の領域は何をしているのか」を理解することが必要です。

それが理解できれば、子どもたちが「どういう時期に、何をするのが一番効率の良いことなのか」、つまりそれが、結果的に色々な能力を獲得しやすいのかという話につながります。

これらを前提にお話しをしましょう。

生まれてすぐの時期


まず、「生まれてからすぐの時期」は、感覚に関わる領域が発達していきます。

例えば、子どもたちが見たり、聴いたり、ぬくもりを感じたりなど、そのようなことに関わる脳の領域が、どんどん発達していきます。

よって、生まれてからしばらくの間は「五感にいかに訴えるか」が大切です。

具体的には「愛着形成」と言われます。

これは、「笑顔でその赤ちゃんの目を見ながら、たくさん語りかけてあげる」ことです。

これが赤ちゃんの脳や視覚、聴覚、ぬくもりを感じる触覚などの発達につながります。

だから、生まれてからしばらくの間は、この「愛着形成」をできるだけ大切にすると良いでしょう。

半年~2歳まで


次に、おおよそ「半年から2歳ぐらいまで」の時期になると、母国語(日本語)を獲得する脳の領域が、どんどん発達していきます。

その頃は、できるだけ「読み聞かせを」たくさんしてあげることが大切です。

その読み聞かせは、単に言葉をお子さんに覚えさせるというよりは(言葉も少しずつ色々なことを覚えますけれども)、日本語のそのものイントネーションやリズム、響きなど色々なものがお子さんに入るので、そのようなものを伝えいきます。

しかも、この読み聞かせは、お子さんを膝の上に乗せ、抱きしめながらすることができます。

これは愛着形成にもつがるので、2歳までに限らず小学校に入学するまで続けていくと良いでしょう。

2歳から


そして、もう少し大きくなり「2歳頃」の時期になると子どもの脳は、自分と他人、あるいは自分と外の世界の区別がつきはじめてきます。

そして、外界に対する興味が出てきます。

これがまさに「知的好奇心」です。

だから、ここからは、いかに「知的好奇心」を伸ばすかが重要になってきます。

「知的好奇心」を伸ばす方法は色々ありますが、例えば「図鑑」がおすすめです。

図鑑でなくても良いですが、世の中のことがたくさん書いてあるものを、お子さんに見せるのが良いでしょう。

もし、図鑑であれば、昆虫、植物、魚、天気の図鑑など、世の中のことが書いてあることを少しずつ見せます。

そして、その図鑑を見て、子どもが何かに興味を持ったら、本物を見せてあげます。

「図鑑から本物、本物から図鑑」と何度も繰り返すことが、「知的好奇心」を伸ばすのに重要だと私は考えています。

3歳から5歳


次は、もう少し大きくなって3歳の時期の話です。

特に、3歳から5歳ぐらいは、運動に関わる脳の領域「運動野」が発達のピークを迎えていきます。

だから、この頃から、体を動かす運動そのものや、あるいは楽器演奏などの巧緻運動を少しずつ始めていくと運動能力の獲得に非常に良いと言われています。

脳の成長年齢マップ


つまり、まとめるとこのようになります。

生まれてからすぐは「愛着形成」を大切にし、生後半年ぐらいからは、「読み聞かせ」を始めます。

そして、どんどん言葉を習得していく2歳くらいまでは、読み聞かせをしてあげると良いでしょう。

その後、外界に興味を持ってきた頃からは、カンタンなものでも良いので図鑑のようなものを与えます。

そして、その図鑑をもとに、子どもたちが恐竜に興味を持ったら博物館に足を運び、魚だったら水族館に足を運びます。

つまり、本の中にある仮想の世界と、本物を見せることを何度も繰り返します。

これが「知的好奇心」を伸ばしてあげることにつながります。

また、3歳頃からは運動能力のために、体そのものを動かす運動や、楽器演奏などの巧緻運動などの細かい運動を少しずつ始めていくと良いでしょう。

これらが脳の発達から見た、「賢い子」を育てるために6歳(未就学)までに、各年齢ですると良いことだと考えられています。

Q.もし、これらの時期を逃してしまったら、どうすれば良いのでしょうか?


今お伝えしたことのように、例えば3歳から5歳の期間に、巧緻運動の楽器演奏としてピアノを絶対始めないとダメなのかというと、決してそのようなことはありません。

脳の発達に合わせて、色々としていくことの本質は、子どもにその頃にそのようなことをさせてあげると「より効率良く能力を獲得できる」ということです。

だから、下の子は3歳だから間に合うけど、上の子はもう中学生だから間に合わないということではありません。

手遅れということは全くありません。

これは脳の「可塑性(かそせい)」の問題です。可塑性とは「変化をする力」です。

ピアノを3歳から始めても、13歳、30歳、80歳から始めても、能力を獲得することができます。

つまり、効率良く能力を獲得できるのは脳の発達に合わせた時期ですが、いつ始めても遅いということはありません。

「思い立ったすぐに始める」ことが重要です。

Q. なぜ、プロは3~5歳から始めるのでしょうか?ー早期教育のメリットー


プロのピアニストやオリンピック選手は、3~5歳の間に始めていることが多いです。

いつから何を始めても能力を獲得できるのに、なぜそのような時期(3~5歳の間)から始めることが多いのでしょうか。

それはなぜかと言うと、あるレベルに達するまでに努力をして達しますが、それまでの時間が短くてすみます。

つまり、「効率良く能力を獲得できる」ということです。

ただ、それだけです。

だから、3歳からピアノを始めるとあるレベルまで、少しの練習で達することができます。

ところが、30歳で始めると加齢と共に可塑性が落ちていくので、努力をする時間を自ずと増やさざるを得ません。

80歳が始めると、さらに努力の時間が増えていきます。

ただし、時間は増えるだけで、あるレベルまで達することはできます。

だから、その努力を楽しんでやれば良いだけなのです。

つまり、重要なことは、この時期にやらなかったからもうダメだとかなく、いつからでも良いので思い立ったら色々なことを始めてみるということが大切です。

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プロフィール
瀧 靖之(たき やすゆき)/東北大学加齢医学研究所教授。医師。医学博士。

1970年生まれ。1児の父。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授。
脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。『16万人の脳画像をみてきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)、『生涯健康脳』(ソレイユ出版)は、10万部を突破するベストセラー。最新の脳研究をふまえた「科学的な子育て法」を提案し、その中でも図鑑を子どもの脳を一番のばすツールとして推奨している。また、そのハウツーは、さまざまな教育系メディアにも取り上げられ、話題となっている。

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