子供は、3歳になると一人でできるようになることが増えます。
頼もしく感じる一方で、話が通じるようになった分、保護者としては本格的なしつけを意識する年齢にもあたります。
第一反抗期とも呼ばれる年齢で、しつけの方法に悩む保護者の方も多いでしょう。
今回はそんな3歳児のしつけについてご紹介します。
3歳の子供とは?
3歳の子供について、まずは体と心の様子について確認してみましょう。
3歳児の心の様子
自立心の高まりと好奇心の旺盛さが3歳児の何よりの特徴です。
様々なことに興味をもち、「自分で!」となんでも自分でやりたがる一方、思い通りにできないことも多く、そのもどかしさからイライラしたりグズったりする様子も多く見受けられます。
友達関係も築かれ始め、一緒に遊ぶ様子も見受けられますが、おもちゃを譲ったり遊びのルールを守るにはまだ完璧といえず、大人の仲介が必要なことが多いです。
癇癪を起こして泣いていることが多かった2歳児の頃と比較すると、自分の気持ちを言葉で表現できるシーンが増えるのも3歳児の特徴です。
3歳児の体の様子
手先を器用に動かすことができる子が増えてきます。
線描きしかできなかったお絵かきの時間に、○を書いたり中には似顔絵を描けるようになる子もいるでしょう。
食事の面でも、お箸を使って上手にご飯を食べられるようになる子が増えてきます。
自分で歯磨きをしたりボタンを止めたり、生活の中にある手先を使う動きを、積極的に自分でおこなわせるようにすると、手先の訓練と生活習慣の定着を一度におこなうことができます。
3歳児ならではの手のかかる特徴
続いては、3歳児だからこその保護者の手をわずらわせてしまう特徴をご紹介します。
まだまだ続く「イヤイヤ」期
イヤイヤ期と言えば2歳児を思い浮かべる人が多いですが、3歳児でも「イヤイヤ」と言って聞かず、大人の手をわずらわせることがあります。
しかしながら、条件反射のように「イヤイヤ」と言っていた2歳の頃と比べると、何か子供なりの理由があることが増えます。
例えば、好きなテレビを見ている時にお風呂に入りなさいと言われている、嫌いなメニューの時にご飯を食べたくない
と言う、などが見受けられます。
特に遊びに夢中になっている時に、別のことに誘うと『イヤイヤ』と駄々をこねることが多いです。手がかかるのはどちらも一緒ですが(笑)」(30代ママ)
思い通りにいかないと人や物に当たる
言葉が思うように出てこない子供に多く見られるのが、お友達を叩いたりおもちゃを投げたりするような暴力的な行動です。
幼稚園や保育園に通っている子供であれば、先生から日中のトラブルとしてコメントをもらう保護者の方もいるでしょう。
言葉が上達している子であれば、自分の思いを口にすることができますが、それが苦手な子が自分の思いをアピールする手段として人や物に当たることが多いようです。
成長とともにこうした行動は減少しますが、トラブルになると保護者としては気が気ではありません。
幸い理解のある親御さんで私が誤ってすみましたが、息子には思いっきりカミナリを落としてしまいました。」(20代ママ)
なんでも自分でやりたがるが、うまくいかない
自立心が高まり、なんでも自分でやってみたくなるのが3歳児の大きな特徴です。
どれだけ保護者が急いでいても、「自分でやりたい!」という子供の強い気持ちは消えません。
服を着替えたりご飯を食べたり、親が仕事に遅れそうになっている朝でも子供の「自分で!」攻撃はおさまることを知りません。
自分でさせてもうまくいかなければイライラして叫んでいるし、「急いでいるから」と親がやっても「やりたかった!」とグズってしまいます。
日々の生活の中で子供の自立心とうまく向き合うことは、案外難しい作業だと言えるでしょう。
成長の印なのでできるだけ自分でやらせたいのですが、ついつい私の手が出てしまいます。『自分でやりたかった!』とグズられると、罪悪感と忙しさの中で呆然とし
てしまうことも。」(30代ママ)
あまのじゃくな性格
3歳児のあまのじゃくな性格に困っているという保護者の方も多いでしょう。自立心が芽生える3歳児は、親や先生の言うことに反抗したくなる年齢でもあります。
「○○して!」と指示すると「○○しない!」と返ってくることが多い子であれば、「○○か××どっちにする?」と自分で決められるよう、子供の自尊心をくすぐったり、「○○してくれると、ママ嬉しいな〜」とやる気を出させる言い方をしてみるなど、工夫した言い方を取り入れるのもポイントです。
3歳のしつけをうまく進める方法とは?
最後に、3歳の子供ならではのしつけの進め方をご紹介します。
子供の気持ちを受け止める
イヤイヤと言われたり、あまのじゃくな対応をされ続けると保護者も疲れてしまいますが、2歳までの子供とは異なり、自分の気持ちを言葉で表現できることが増えているため、まずは子供の気持ちをゆっくり聞いてみるようにしまし
ょう。
子供が嫌がったり反抗的な態度をとる裏側には、子供なりの理由があることが多いです。
寝るのをイヤイヤとダダをこねていた子供に、「どうして寝たくないの?」と聞いてみると、「絵本を読んで欲しいから」と、親がハッとするような言葉が返ってくることもあるようです。
どうしてダメかを伝える
「○○してはいけません!」だけのしつけでは、言葉が理解できるようになった3歳児には不足です。
どうしていけないのか?どんな風に周囲が感じるのか?を、子供がわかる言葉で伝えるようにしましょう。
何がいけないのかをゆっくり丁寧に説明したことで、子供が状況を理解でき自発的に「ごめんなさい」と言葉を発することもあります。
叱っている大人の気持ちを伝える
危険なことをしている子供に「危ないからやめなさい!」と伝えるだけでなく、「そんなことをして○○ちゃんが怪我をしたら、ママは悲しくなるからやめてね」と伝えることで、すんなりと言うことを聞いてくれたりします。
子育てのベテランであるおじいちゃんやおばあちゃんは、こんな風に自分の気持ちを入れながら優しく諭していることがあります。
周りの先輩たちの言い方を参考にするのもいいですね。
3歳には3歳なりの子育てのストレスがつきもの!
2歳のイヤイヤ期を抜けると、天使の3歳期がやってくる!と待ち遠しく感じているママもいるかもしれませんが、3歳には3歳の子育てストレスが待っています。
自分でできることが増える時期でもあるため、ある程度は自分でやらせてみる、失敗したらゆっくりとおさらいしてやる、など余裕を持って子供と向き合いたいものです。