なぜ、幼児教育無償化だけでは 賢い子を育てるのに「失敗」するのか?

  

 

プロフィール

大坪 信之(おおつぼ のぶゆき)/株式会社 コペル 代表取締役。福岡大学人間関係論非常勤講師。一般社団法人徳育学会会長。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー。2児の父。1963年福岡県生まれ。大学卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社にてシステム開発や営業業務に従事する。自身の子育て中の経験から幼児教育に興味を持ち、1994年に徳育教室(現コペル)を設立。幼児教室コペルの運営を通じて、子どもの心の教育を志し、様々な研究に取組んでいる。全国各地で子育てセミナーや子どもの潜在能力を引き出すための講演活動なども多数実施。

 

日本では、これから幼児教育の無償化などと言っていますけれども、本当の意味での教育はできていないと考えられます。

そもそも、何十人に対して、同じ教育をするのは難しいです

なぜなら、みんなが同じスピードで、同じ興味を持つということが存在し得ないからです。

だから、本当の教育は、もっと個別に近い形で行うべきものでしょう。

子どもの目が、とにかく輝くようなことをやり続けるというのが本当の教育でしょう。

海外では、少人数の教育が主流になりつつあります。

これから求められる「21世紀型スキル」とは?


今、日本の「21世紀型能力」というものを文部科学省が提示しました。

これはアメリカの「21世紀型スキル」から来ていますが、アメリカはフィンランドをもとに作りました。

フィンランドは、元々農業国でしたけれども、「技術立国」になることを目標に掲げ、税金の第一優先順位を「教育」に決めました

そして、まずを行ったのが、16歳までテストはしないことでした。

先生は教える立場ではなくて、ファシリテータの位置づけ変え、子どもが子どもに対してレッスンを行う方法に変えました

子どもは、自分自身でそれぞれ研究テーマを決めます。

例えば、「私はカブトムシについて研究します」「私は電車について研究します」と。

そして、それぞれ研究したことを、お互いに教え合うことをしました

こうなると、自分の好きな分野の研究ですから、自然と本などを読んで調べます。

その影響もあり、フィンランドの子どもたちは、日本の子どもたちの「7倍」も読んでいます

また、その結果、「0から1を生み出す能力」が養われました。まさに教育の成果です。

それをアメリカが真似し、今度は日本が真似しようとしているところです。

遅れている日本の入試問題に変化が…


ただし、いくらこれを掲げても、日本ではまだ現場まで行き届かず、対応がしきれていません。

しかしながら、このような方向性が示されて、今年の慶應義塾大学の入試問題には、これまでの形式とは全く違った問題が出題されました。

小論文で「カーペットの真ん中が盛り上がっていて、それを男の人が指をさしている絵」があって、「この物語を完成させなさい」という問題が出ました。

まさに、これがこれからの教育の方向性を物語っているのではないでしょうか。

小論文で、キレイな小論を書ける能力は、これからの時代はAIのほうが立派なものを書くことができます

しかし、AIは0から1を作ることはできませんので、これが人間に求められる能力だということでしょう。

大坪信之氏インタビューの完全版はコチラ

プロフィール

大坪 信之(おおつぼ のぶゆき)/
株式会社 コペル 代表取締役。福岡大学人間関係論非常勤講師。一般社団法人徳育学会会長。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー。
2児の父。1963年福岡県生まれ。大学卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社にてシステム開発や営業業務に従事する。自身の子育て中の経験から幼児教育に興味を持ち、1994年に徳育教室(現コペル)を設立。幼児教室コペルの運営を通じて、子どもの心の教育を志し、様々な研究に取組んでいる。全国各地で子育てセミナーや子どもの潜在能力を引き出すための講演活動なども多数実施。

<主な幼児教育関連著書・監修書籍>

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