乳幼児を抱えるパパ・ママなら必ず耳にしているはずの「幼児教育無償化」というワード。
2019年2月12日の閣議で、幼児教育の無償化が決定されました。
2019年10月より、幼稚園・保育園・認定こども園などで保育料が無償化となります。でも「年長の6歳は対象になるの?」など疑問の声も多いです。
「自分たちの家庭にはどのような影響があるの?
「5歳までって聞いたけど、同じ幼稚園児でも年長で6歳の子供は対象外なの?」
子供の教育費が無償になるというのは、子育て世代にとって大きいメリットですよね。
教育費以外にも、食費やマイホーム資金、老後まで踏まえた後々のお金のことを考えると、少しでも負担は減らしたいところです。
そこでこの記事では、「幼児教育無償化」制度についての詳しい情報をご紹介します。
幼児教育・幼稚園の無償化とは?年長の6歳は対象外?
「関係閣僚・与党実務者連絡会議」と呼ばれる公的な会議で用いられた資料には、“幼児教育無償化とは、幼児教育の重要性に鑑み、すべての子供に質の高い幼児教育を保障することを目指すもの”という一文が掲げられています。
さらにわかりやすく制度の内容を表すと「3~5歳のすべての子どもと、住民税非課税世帯の0~2歳の子どもの幼稚園・保育園などの利用料が無料(場合によっては一部無料)になる」制度と言えます。
これだけ見ると6歳児は対象外かと思われますが、そうではありません。
後ほど詳しく記載しますので、続けて読んでくださいね。
2017年12月に政府が経済政策の1つとして決定した制度です。
子育て世代の家計負担を減らし、日本に住む全ての子どもが質の高い教育を受けられるようにしたいという目的を果たすために新設されました。
また、現在の日本における最大の課題である少子化問題や女性の社会進出をサポートする制度でもあると言えるでしょう。
そんな幼児教育無償化について気になるのが、対象者や制度がスタートする時期ではないでしょうか?
ここではそうした詳細な内容について1つずつチェックしてきます。
幼児教育無償化の対象となる子どもと補助金の額は?6歳は対象外?
全ての世帯で対象となるのが「3歳〜5歳」の子どもたちです。
ただし、注意していただきたいのは2019年4月1日の時点で3歳〜5歳の子どもたちが対象という点です。
つまり、今年4月以降で6歳になるお子さんは無償化の対象となるわけです。
3歳から5歳というのは、3歳時クラス(3歳・4歳)から5歳児クラス(5歳・6歳)というニュアンスと受け取って良さそうです。
年長さんで5歳から6歳になった子どもは、無償化の対象ですから安心してください。
該当する年齢の子どもは幼稚園・保育園・認定こども園の利用料が無償化となりますが、それぞれの教育施設において対象となる限度額が設定されているので、注意が必要です。
- 幼稚園:毎月25,700円まで
毎月の保育料が25,700円を超える場合は自己負担となります。
なお、預かり保育を利用する場合は37,500円に上限が上がりますが、自治体で認定を受けておく必要があります。
- 認可保育園/認定こども園:完全無料
認可保育園と認定こども園には上限がありません。
- 認可外保育園など:毎月37,500円まで
認可外保育園の他にも、国の基準は満たせていないが自治体の基準を満たしている「認証保育園」も対象に含まれます。
また、ベビーホテルやベビーシッターも対象となります。
認可外保育園と保育サービスを2つ以上利用している場合でも、上限額までは無償となるので覚えておきましょう。
一方、住民税非課税世帯では上記に加えて「0歳〜2歳」の子どもたちも対象となっています。
各施設の上限額は以下の通りです。
- 認可保育園/認定こども園:完全無料
- 認可外保育園など:毎月42,000円まで
無償化のスタート時期は?
気になるスタート時期ですが、以下のような段階を踏んでスタートされる予定です。
- 2019年4月から:5歳児(年長)クラスでスタート
- 2019年10月から:全面スタート
2019年の10月には消費税が10%に引き上げられることが決定しましたが、同時期に子育て世帯へのサポートをスタートすることで、経済負担の軽減を狙っていると言えるでしょう。
幼児教育無償化・幼稚園無償化の注意点!
幼児教育の無償化にはいくつかの注意点があります。
スタート前に覚えておくようにしましょう。
幼児教育無償化の対象となるには手続きが必要
幼児教育無償化の対象となるためには、手続きをする必要があります。
すでに、幼稚園や保育園に通っている場合は、園から手続き方法や必要書類が配布されるはずです。
これから縁の利用を申請する人は、申請の際などに自治体に問い合わせて必要な手続きを踏むようにしてください。
また、3歳児の幼稚園利用については、各幼稚園で利用資格や条件が異なるため、入園を希望する前はチェックが必要となります。
もちろん、幼児教育の無償化の体調となるためには、利用の認定を受けていなければいけませんので、注意しましょう。
無償化の対象にならないものがある
幼稚園や保育園で必ず必要となるものであっても、無償化の対象とならないものがあります。
以下は代表的なものです。
- 入園料
- 交通費(スクールバス代など)
- 病児保育料
- 行事費(遠足代など)
- 学用品代(制服代など)
「幼児教育」の定義とは?家庭で利用する教材費や習い事は対象外?
ここまで幼児教育無償化の制度について、詳細をご紹介してきましたが、「幼児教育」の定義について疑問を持つパパやママもいるでしょう。
今回、制度の対象となった幼児教育は、政府が政策として決定した「子育て世帯を支援するために、保育が必要な子どもにかかる費用の援助」にすぎません。
そのため、各保護者が必要と判断した幼児教育の全てが援助されるわけではないのです。
そのため、各家庭が個々に選んで利用している幼児教育の教材や英語教室の費用は対象とはなりません。
公的な資料にも、幼児教育は「経験カリキュラム」で小学校教育は「強化カリキュラム」と提示されているように、“お勉強”としての教育は小学校以降から始まるとされているのが現在の日本のスタンダードです。
教育学界を代表する世界的な研究者であるジェームス・ヘックマン教授は、幼児教育における遊びの重要性を様々な調査や研究から説いています。
幼児教育の分野では、知能指数を上げるいわゆる“お勉強”で養われる技能を「認知的スキル」、勉強以外の経験で培われる肉体的・精神的な健康や忍耐力、やる気や自信などの技能を「非認知的スキル」と呼んでいます。
最新の研究の数々は、この「非認知的スキル」を伸ばすことが子どもの将来の成功に大きな影響を与えると結論づけているのです。
そして、このスキルは子どもが主体となった遊びを通して、最も効果的に得られることがわかり始めています。
こうした背景からも、政府が無償化の対象としている幼稚園や保育園では「遊びは学び」の考え方を基本として、幼児教育が進められています。
保護者は“幼児教育の無償化で経済面が楽になる”で思考を止めてはいけない
幼稚園や保育園での保育が必要な乳幼児を抱えると、多くの保護者がその経済的な負担に驚かされます。
居住エリアや世帯の収入にもよりますが、10万円近くの保育料を払っている家庭もあるでしょう。
そんな保育料が無償になったり一部援助されたりすることは、子育て世帯にとって非常にありがたいもの。
しかしながら、無償化に伴い保育園利用希望者が増えることが予想されており、さらに待機児童が増えたり保育士が不足するのでは?という懸念も広がっています。
保護者は「経済的に楽になる!」というレベルで思考を止めるのではなく、「安全に子どもを預けられているか?」という危機意識を常に持ち続けるようにしたいものです。
まとめ:幼児教育無償化は年長の6歳も対象!ただし注意も必要
幼児教育無償化は、2019年10月から施行されます。
対象者は2019年4月1日時点で3歳〜5歳なので、今年6歳になる年長クラスのお子さんをお持ちのママもホッとしたのではないでしょうか。
ただ、無償化は幼児教育における全てが対象というわけではありません。
対象になるもの、ならないもの。それと新たに出てくるであろう懸念点にも注意し、本記事の内容をよく振り返って覚えておきましょう。