子育ての正解とは?迷ったら最新の幼児研究を参考にしてみる

特別記事

「子育てに正解はない」と多くの専門家が声を揃える一方で、実践者である保護者は毎日子育ての正解について悩みあぐねるものです。

今回は、そんな子育てのヒントを最新研究からご紹介します。

最新研究が解き明かす子育ての正解

1:幼児期は自主的な遊び中心がいい

幼児期の研究が盛んな欧米諸国の専門家を中心に、幼児期における遊びの重要性が叫ばれています。

1960年代に行われた「ペリー就学前プロジェクト」と呼ばれる幼児教育を代表する研究では、アフリカ系58世帯の就学前の幼児に対して午前中の2時間半を利用して幼児教育が施されました。

加えて、週に1度は教師が各家庭を訪問して90分の指導を行いました。

この際重視されたのが、「非認知的スキル」と呼ばれるスキルを伸ばすことに焦点を当てた教育を行うことです。

非認知的スキルとは、反対の意味を持つ認知的スキルを知ると理解できまが、認知的スキルはIQテストや学力検査などによって測定される能力のことです。

いわゆる“お勉強”ですが、非認知的スキルはこの反対にあたります。

研究では、子供が自分で考えた遊びを実践し、毎日復習するように促したのです。

ちなみに、復習は集団で行われ子供たちが社会的スキルを身につけるように指導しました。

こうした教育が30週間続けられ、これを続けた子供とそうでない子供を彼らが40歳になるまで追跡調査されました。

結果では、実験対象となったグループがそうでないグループに対して良い結果を得るというものでした。

つまり、幼児期に遊びを通して非認知的スキルを伸ばす方が、将来の“成功”を得やすいというわけです。

ここでいう成功とは、学力検査の結果がいい・学歴が高い・特別支援教育の対象者が少ない・収入が多い・持ち家率が高い・生活保護受給率や逮捕者率が低い、というものです。

親として子供の将来に期待するものばかりと言えるでしょう。

実験対象ではなかったグループの子供たちも、日常生活の中にある遊びを通して成長をしているはずです。

しかし、大人がサポートをしながら子供の自主性や社会性を、遊びを通して育ててやることが重要であると判明したのです。

2:きょうだいの重要性は「きょうだい喧嘩」にある

国内で幼児教育を進めているとある研究は、きょうだいがいることの最大の意義はきょうだい喧嘩をすることにあると言います。

脳が成長段階にある子供は、人とのコミュニケーションも成長しながら覚えていくもの

他人との距離感を様々な方法で身につけていきますが、その最大の手段が喧嘩なのです。

中でも兄弟喧嘩は、友人とのそれとは異なり本気で喧嘩できる重要な機会と言えるでしょう。

友人との喧嘩であれば周囲の大人がおおごとにならないうちに止めてしまいます。

ケガが心配で親はやきもきするものですが、あまり神経質にならない方が子供の成長のためにも良いと言えるでしょう。

もちろん、大きなケガや物が壊れるなどのトラブルが起こる前に親が止める必要があります

また、子供だけで解決しなかった際には、落ち着いた頃に親が叱ることも必要だと言えるでしょう。

ポイントは、公正な立場に立って両方の話をよく聞くことです。

3:最良の親子のコミュニケーションは、絵本の読み聞かせ

子供との関わり方については様々な意見や研究結果がありますが、どんな専門家も口を揃えて言うのが読み聞かせの重要性です。

読み聞かせについて、研究者の間で語り草になっている一冊の本があります。

「クシュラの奇跡」と呼ばれるその本には、生まれながらにして染色体に大きな障害を持った女の子が、生後4ヶ月より毎日14冊の絵本を両親から読み聞かせてもらった日常が描かれています

驚くのは、この習慣を続けたことにより精神的にも肉体的にも遅れていると医師から言われていた彼女が、5歳になった頃には平均をはるかに超える高い知性を身につけ、本が読めるようになっていたと言う事実です。

言葉と絵の宝庫である絵本が持つ力が、示された1つの好例だと言えるでしょう。

また、様々な心理学研究では読み聞かせが子供の想像力を育み、言語能力や人間関係を豊かにする力を育むとしています。

親の声は子供の精神状態を落ち着かせるための最も強力な道具であると提言する専門家もいるほどです。

他にも、絵本の読み聞かせについての研究はたくさん行われていますが、そのほとんどが子供の成長に良い影響を与えると言う結果を残したものになっているのです。

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2018.10.13

4:人見知りしている子供の目は見てはいけない

生後数ヶ月から長い場合は幼児期を終える頃まで、子供の人見知りに悩む親は多いもの。

大泣きが数時間も続くような場合には、人見知りが原因で外出がしにくいなど生活に影響が出ているケースもあります。

そんな人見知りについても最新の研究が迫っています。

人見知りの子供に見られる特徴に、思わず相手の目を見てしまうと言うものが挙げられるのだとか。

動物の本能で相手と目を合わせると言うことは、威嚇する場合に限られるため、自動的に脳の「扁桃(へんとう)体」という部位が働いてしまい恐怖を感じるとされています。

この働きを逆手にとって、子供を合わせる大人には「目を合わせなければ人見知りしにくいよ」と伝えるのもいいでしょう。

他にも、母親と仲良く接している姿を子供に見せると、早いうちに警戒心が取れると言う研究結果も出ています。

5:幼児のモバイル端末利用は成長を妨げる

現代の日本で乳幼児を育てる親には耳の痛い研究結果が出ています。

カルガリー大学の心理学者は、成長期にある子供がモバイル端末などでスクリーンを眺めている時間が、子供のスキルにどんな影響を与えるかを調査しました。

対象となったのは2歳・3歳・5歳の子供たち。

結果では、端末の利用時間が長い子は運動能力やコミュニケーション能力といったスキルのスコアが低くなることが報告されています。

論文の筆頭著者は「子供の体の発達や認知の発達を促すポジティブな刺激は、多くが面倒をみる人とのやりとりから得られる」と提言しています。

この研究結果から言えることは、モバイル端末を使わせるか否かを検討するのではなく、「どのくらい使わせるか」を常に親が頭に入れながら育児を進めることだと言えるでしょう。

6:早期のバイリンガル教育はNG

ロンドン大学の研究者はロンドンに住む317人吃音障害がある子供たちを対象に調査を行いました。

対象者のうち2割に当たる69人は家庭で英語以外を話すバイリンガルだったことが判明しています。

また38人(12.0%)は英語が話せない親から学習を強いられていて、15人(4.7%)は5歳までに英語以外の親の母国語しか話せなかったのです。

つまり、5歳未満の幼児が外国語を学習してバイリンガルになることは、吃音障害が始まる可能性を高めると言う研究結果になるのです。

ちなみに、なぜ早期に2ヶ国語以上を習得することが吃音障害を招くのかについては、まだ解明されていません

一方で、吃音障害のある大人が2ヶ国語以上を習得すると症状が改善されると言う結果も出ており、バイリンガルになることと吃音障害とになんらかの関係があることが伺える研究結果となっています。

子育てに迷うのはあたり前


子育てをしている保護者のうち、全く迷いがない人はいないと言い切れるでしょう。

仮にいたとすれば、その方が問題です。

「子供に最善の育児をしたい」と思う親の愛が子育ての迷いを生むわけですが、迷ったら日々続けられている最新の研究に答えを求めてみるのもおすすめです。

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