瀧 靖之(たき やすゆき)/東北大学加齢医学研究所教授。医師。医学博士。1970年生まれ。1児の父。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。『16万人の脳画像をみてきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は、10万部を突破するベストセラー。最新の脳研究をふまえた「科学的な子育て法」を提案。
私たちはグローバル社会に世界に生きているので、英語はとても大切なものでしょう。
そして、その英語教育の開始時期ですが、脳医学から見ると「10歳くらい」が良いと考えられています。
その時期は「臨界期」と言われ、最も言語を獲得しやすい時期であります。
だから、8~10歳の間に英語教育の中でもリスニングを始めると良いでしょう。
一方、そうなると疑問に思うのが「超早期教育の有効性」です。
これに対する明確の答えは非常に求めにくいものです。
ただし、脳医学的に言えることは、決して「効率は良くない」ということです。
なぜなら、超早期教育の時期は、まだ脳が(言語を習得する)準備ができていないときだからです。
その時期に、どんどん言葉を入れてしまうのは、脳医学で見た効率の視点からすると、決して良いものとも言えません。
これは超早期教育を否定するものではありません。
ただし、それによって言語全体の能力が上がるかと言えば、そうとは言い切れません。
だから、母国語をしっかり入れてから、英語を入れても良いでしょう。
もちろん、2つの言語を同時に覚えることによる良い部分もあります。
例えば、一つの物事を、2つの言語から理解することは、記憶の定着につながると言われています。
ただし、その反面、深く考えるときに、2つの言語のどちらの言語を使うのかが中途半端になると言われています。
Q.もし、親子で楽しんで英語を学ぶならいかがですか?
親子で一緒に英語を学ぶのは非常に良いと思います。
余談ですが、私の息子にも3歳から先生をつけて英語を学んでいます。
ただし、それは息子に英語をやらせるのではなく、私たち親が学んでいるところに、一緒にいさせるということです。
これは、「英語は、教科書上のものやテストのためのものではなく、生きた言語として存在している」ことを示すことが目的にしています。
そして、英語を使ってコミュニケーションしていることを、子どもに理解してもらうためにやっています。
だから、文法や単語の記憶は、ほとんど何もしていません。
英語でコミュニケーションしている姿を、たくさん見せるという方法を、私はやりました。瀧教授インタビューの完全版はコチラ
1970年生まれ。1児の父。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授。
脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。『16万人の脳画像をみてきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)、『生涯健康脳』(ソレイユ出版)は、10万部を突破するベストセラー。最新の脳研究をふまえた「科学的な子育て法」を提案し、その中でも図鑑を子どもの脳を一番のばすツールとして推奨している。また、そのハウツーは、さまざまな教育系メディアにも取り上げられ、話題となっている。
<主な幼児教育関連著書・監修書籍>