小学校入学前後になると親が気になりだす子供の勉強のやる気。
友達に勉強付きの子がいたりすると、焦ってしまう人も多いのではないでしょうか?
子供の勉強のやる気の上下が、親のアプローチにかかっているとしたら‥。
今回は、子供の勉強のやる気をアップさせる方法についてご紹介します。
子供の勉強のやる気が出ないのはなぜ?
ここで子供と定義するのは、小学生であることをまず先に押さえておきます。
どうして幼児を含まないのかというと、幼児教育の専門家の中には幼児期には自発的でない勉強は悪影響を与えると考える人もいるためです。
現に、ある研究結果からは幼児期に勉強を強制された子供は、自発的な遊びのみを経験していた子供と比べると将来の成功者が少ないという結果も出ているほどです。
そのため、子供の勉強のやる気を語る際には、就学後の子供に限定してその原因を解明したいと思います。
まずは、小学生が勉強のやる気を出せなくなる理由を探ってみましょう。
大きく3つの原因があると考えられます。
1:目標設定がない
人間には本能とも呼べるレベルに、「目標を達成したい」という欲求があります。
この気持ちは就学前後に関わらず、幼い頃から持ち合わせているものですが、勉強に挑む際にも目標設定がないとやる気を起こすことができません。
裏を返せば目標を定め、努力して達成するという成功体験が増えれば増えるほど、目標達成の快感を得られると言えるのです。
目標を設定するというのはかなり高度な思考のため、小学校低学年の間は周囲の大人が意識して目標設定のサポートを行うべきだと言えるでしょう。
また、幼児期のうちから遊びを通して目標設定・達成の習慣をつけることも重要だと考えられます。
2:褒められない
小学校の子供にとって、親に褒められる以上に嬉しいことはありません。
勉強を始め、自分の努力を親が認めそれを褒めてくれるという一連の行動は、子供のやる気を大きく育てます。
しかし、親が子供の努力に気づかず、褒めることなしに「勉強しなさい」とだけ伝えていてはどうでしょう。
やる気が削がれることは誰にでもわかります。
子供の小さな努力を見逃さずに大きく褒めてやることを習慣づければ、少しずつ子供のやる気が伸びていくでしょう。
3:ライバルがいない
勉強に関わらず、やる気を出すために重要な存在となるのがライバルです。
多くの小学生の場合には、そんなライバルは「周囲の友達」であることが多いでしょう。
優秀な学習塾などはこのライバルの存在をやる気に変えるために、様々な工夫がされています。
テストのたびに結果が順位づけされるのは、子供の競争心に火をつけるためです。
負けず嫌いの子はこの方法で実によく伸びます。
勉強が苦手で人と比べられるのを嫌がる子供には通用しないこともありますので、周囲の大人子供の個性を見極める必要もある方法です。
子供の勉強のやる気を育てる親のアプローチとは?
低学年のうちは褒める、高学年になったら感心する
まずおすすめしたい方法が、前述もした子供を褒めるという方法です。
「男の子は褒めて育てる」などと言いますが、褒められると伸びるのは女の子も同じ。
それに、子供が努力して親が褒めることを繰り返せば、人格形成において最も重要である「自尊心」を育てることにもつながります。
1点、覚えておきたいのが「○○できて偉いね!」と褒める方法が通用するのは低学年までだということ。
小学校高学年にもなると、親が上から目線で発言しているように取られてしまいます。
そこでおすすめなのが親が自然に感じた子供への感心を伝えることです。
実際に、高学年ともなると子供の努力には凄まじいものがあり、親が真似できないような努力をすることも。
「すごーい!!」と本心を素直に伝えてみましょう。
指示ではなく、選択肢を与える
勉強のやる気が出ない子を目の当たりにすると、ほとんどの親が「勉強しなさい」と言いたくなるでしょう。
しかし、これは最大のNGワード。
子供に「勉強は強制されるもの」と刷り込んでいるようなものだからです。
「勉強しなさい」という言葉が口をつきそうになったら、思い出したいのは「選択肢を与える」ということ。
「勉強かご飯かどっちにする?」と、勉強を生活週間の中に当たり前に取り込んでしまうのがおすすめです。
目標を設定する
勉強の目標と聞くと「○○で高得点を取る」というような、成果を目標にするイメージが強いでしょう。
しかし、子供の教育で大事なのは成果までの過程を褒めてあげること。
例えば、先述の勉強を日常生活の中に組み込むことに着眼すれば「ご飯までに宿題を終わらす」という目標を定めておくのも良いでしょう。
食卓に着いた子供が勉強を終えていたら、たくさん褒めてあげながら食事を摂ることができます。
もちろん、成果を目標とするのも良いですが、その場合は小さな目標からスタートさせることを意識します。
「10分間おしゃべりせずに集中する」「1ページを○分で終わらせる」など、すぐに達成しやすい目標を積み重ね、達成のたびに褒めてやることが大きな効果をもたらします。
好きな課題から始める
子供のやる気を出させるテクニックとして覚えておきたいのが、課題にチャレンジするときは好きなものから進めるということ。
いざ、勉強を始めようとして机に向かっても苦手なページが開いていてはすぐにやる気が削がれてしまいます。
子供の得意科目を日頃から察知して、そのページから取り組めるようにサポートするのがおすすめです。
着手しやすいページをこなしていくうちに、勉強モードに入っていき、苦手なものも比較的スムーズに解き進めることができるでしょう。
リビング学習を導入する
ある調査では、東大生の約半数がリビング学習を行っていたのだとか。
親世代が子供だった頃は、1人に1台学習机を購入してもらい、自室にこもって一人で勉強していたという人が多いでしょう。
しかし今、子供の学力を伸ばしたいならおすすめはリビング学習です。
以下では、一般的に言われているリビング学習のメリットをご紹介します。
リビングのそばでは親が家事をしていることが多いでしょう。適宜、子供の学習状況を確認することで、本当に進んでいるのかをチェックすることができます。
勉強を終わらせて遊びたい子供は、わからないことをそのままにしてしまいがち。しかし、勉強において重要なことは「わからないことがわかること」なわけです。親がそばにいるリビング学習なら、すぐに不明点を質問することができ「わからないをわかる」にする習慣がつきやすいとされています。
勉強に飽きたらついつい他のことに気が行ってしまいがちな、一人きりの学習。集中力を続けるのが難しいのは、大人もうなずけるところでしょう。リビング学習なら親の気配を感じて勉強ができるので、緊張感を集中力に変えて勉強に取り組むことができます。
親の成功イメージが子供を伸ばす
今回は、子供の勉強のやる気を育てるための方法を、親のアプローチという観点からご紹介しました。
細々とした方法を並べましたが、大きな視点で覚えておきたいのは親が子供の将来に、成功イメージを持ち続けるということ。
「この子は成功する」と信じましょう。信じてしまえば自然と言動がポジティブに変わります。
親の思い通りにならなかったとしても、失敗が続いても、それは成功への1つのプロセスに過ぎません。
親が誰よりも子供を信じてあげることが、子供のやる気アップに直結すると言えるでしょう。