「母子分離」という言葉を聞いたことがありますか?
生まれた時から“子供はママと一緒がいい”という定説に触れながら進む現代の育児では、母と子供が離れる機会はあまりありません。
習い事や幼児教室の多くでは、母子分離を通して子供の成長を促す方法が進められています。
今回は、特に幼児教室での母子分離の効果や方法についてご紹介します。
幼児教室の母子分離とは?
母子分離をする効果
母子分離とは読んで字のごとく、ママと子供が離れることを指します。
一昔前までは、ママと子供が離れるのは満4歳を過ぎた幼稚園年中の時期が主流でしたが、最近では習い事の低年齢化を受けて2歳ごろから母子分離を通して子供の成長を促す習い事や幼児教室が増えています。
母子分離の効果は、子供が母親から離れることで精神的な自立心を養うことにあります。また、同世代の友達や先生とのコミュニケーションを通して協調性や社会性を身につける効果も期待されています。
また、子供が親から離れる効果だけでなく、親が子供から離れることで得られる効果もあります。
特に心配性で子供からなかなか離れられない親側の依存心を減らすことや手のかかる時期の子供と離れ、束の間の1人の時間を過ごすことでリフレッシュ効果などもあると言えるでしょう。
母子分離はいつから?
赤ちゃんは生後半年もすると人見知りや母親の後追いを始めます。
これは母親の側を離れることに不安を感じる心理的な状態を表していますが、多くの場合で2歳になるくらいには自然となくなるとされています。
そのため、習い事や幼児教室で母子分離を始めるのは2歳ごろが最適だと言えるでしょう。
また、最近では満3歳から幼稚園に通うのが主流となっているため、幼稚園の準備として幼児教室の母子分離を使う方法もあります。
母子分離をする幼児教室
「AKANONサロン」
幼児教育のスペシャリストとして知られる久保田カヨ子先生が展開する幼児教室です。この教室では「愛情母子分離クラス」と呼ばれる母子分離で指導が進められるクラスが準備されています。
先生を“第二の母”と定義づけ、子供が母親から離れて社会に飛ぶ込む初めての時期を温かくサポートしてもらえます。
クラスの様子が見られない幼児教室もありますが、AKANONサロンではマジックミラー越しに授業を楽しむ子供の様子が見られるのも大きな特徴だと言えるでしょう。
「ドラキッズ」
全国で幼児教室を展開するこちらの教室では、「Class2」として設定された2〜3歳児向けのクラスで本格的な母子分離が始まります。
クラスのスタートから母親は子供から見えない位置で待機(もしくは買い物などへ外出)することになります。
ドラキッズの母子分離の特徴は、「Class1」と呼ばれる1〜2歳を対象としたクラスから“ゆるやかな母子分離”が始まっている点にあるでしょう。
急にではなく、1年をかけてゆるやかに母子分離を進めることで、「Class2」をスタートさせる抵抗をなくすことができるのです。
幼児教室で母子分離をする方法は?
ステップ1:幼児教室の教育方針を確認する
まずは、幼児教室がどのように母子分離を考えているかを確認しましょう。
1〜2歳クラスの早いうちから母子分離を目指す教室もあれば、3歳を過ぎても無理な分離は控えたいと考えている教室もあります。
ほとんどの教室がどの年齢の子供で母子分離を目指したとしても、なるべく子供やママに負担がないような分離のための設計をしていますが、それでも家庭の教育方針と大きくずれるようであれば相談する必要があるでしょう。
また、体験会や見学会で母子分離をしている子供や親の様子をチェックしておくのも重要です。
分離とはいえ、気軽にクラスの中を覗ける教室もあれば、子供から親の姿を完全に見えなくするようにクラスの見学ができない教室もあります。
ステップ2:体験時はなるべくママと一緒にクラス参加
体験会を実施している教室では、実際に子供がクラスの授業を受けることが可能です。
子供によっては体験会の時からスムーズに母子分離ができるケースもありますが、子供の様子を見ながらなるべくママと一緒にクラスを体験するようにしましょう。
大人でも初めての場所に一人で参加するのは大きな不安を伴います。
まだ親と離れる時間が少ない幼い子供であればなおさらです。
「幼児教室=楽しいところ」という第一印象を子供に持たせるためにも、なるべくママと一緒に授業を楽しむようにしましょう。ステップ3:子供が慣れた頃に母子分離に挑戦
母子分離が可能な年齢(2歳以上など)を超えていて、かつ子供がクラスに馴染んでいるようであれば先生とも相談しながら母子分離にチャレンジしてみましょう。
重要なのは、ママがいきなりいなくなるのではなく「今日はママはお外から見てるからね!」とクラス参加前から約束しておくことです。
2歳ともなると多くの子供が母親の言っていることをしっかり理解できるようになります。
“いつもいるママがいなくなった”ではなく、“今日はママはお外にいるんだ”と知っているだけで、子供の不安は大きく軽減できます。
もしグズって授業がうまく楽しめないようであれば、先生とも相談しながら母子分離をする時期を再検討してみましょう。
幼児教室で母子分離をする際の注意点
他の子供と比べない
母子分離に関わらず、幼児教育の鉄則でもあるのがこちらの点です。
答えのない育児では、どうしても親は不安になり答えを探してしまいがち。
特に、自分の子供よりも優れているように見える他の子供を見つけると「どうしてうちの子は」と子供や自分を責めたくなるものです。
母子分離に関しても、クラスで分離の方針が強ければ強いほど、ママと離れる際にぐずる我が子を見て不安に感じてしまいます。
また、自分の子供より低年齢の子供がスムーズにママから離れている様子を見ると焦ってしまうでしょう。
しかし、全く母子分離がスムーズにいかないことを嘆く必要はありません。
各子供によってタイミングは異なりますが、クラスに慣れたり授業が楽しくなったり、もしくは子供ごとのママから離れるタイミングが来れば驚くほど突然、母子分離を受け入れるもので
す。
最初は泣いて辛い思いをするかもしれませんが、気長に他の子と比べることなく我が子の成長を見守りましょう。
無理強いしない
教室の方針にもよりますが、可能であれば泣いて授業に集中できないほど母子分離を嫌がる時は、ママもクラスに一緒に参加するようにしましょう。
ママと一緒なら楽しめていた貴重な授業を受けるチャンスが失われますし、時間とコストをかけて通っていることを考えても、無理に離れる必要はないと言えるでしょう。
何より、無理強いすると「幼児教室=嫌な場所」という記憶を子供に形成しかねません。
子供は一度嫌な記憶を形成してしまうと、大人がどれだけなだめようが「いや!」と抵抗してしまうものです。
毎回、教室に楽しく通うためにも無理強いは禁物です。
まとめ
今回は幼児教室での母子分離について話してきましたが、いかがでしたでしょうか?
幼児教室により方針は異なるので、もし母子分離を実践している幼児教室をお探しであれば、本記事も参考に検索してみてください。
ただ、大事なのは決してお子さんに無理強いはしないこと。
実践するにしても、記事でご紹介したステップを踏んで、自然と母子分離になるよう試みてくださいね。