幼児教育熱が高まるに連れて、全国各地で開設されるようになった幼児教室。
そのほとんどで実施されているのが無料体験です。
どうして幼児教室ではこれほどまでに無料体験が実施されているのでしょうか?
そして、無料体験ではどんなことをして、親はどのような点に注意して体験教室を利用すればいいのでしょうか?
今回は、幼児教室の無料体験についてご紹介します。
幼児教室の無料体験とは?
多くの幼児教室が、教室の利用を申し込む前に親子で実際の授業を体験できるサービスを提供しています。
授業の体験までできるところと「無料教室会」として実際の授業を外から見学するところがあります。
細かな内容は各教室で異なりますが、大まかには以下のような流れで無料体験が進められます。
1:ヒアリング
授業を体験する前に、保護者に向けてヒアリングが実施されます。
・子供の将来についての家庭の希望
・子供の教育で気になる点や不安点
・教室利用に向けて気になる点や不安点
ヒアリング内容は全て、子供と保護者が教室を安心して利用するために行われます。
また、実際の利用をスムーズに始めるためにも子供の性格や普段の様子、子供の教育で気になっている点は正直に話すようにしましょう。
3歳以上などで子供本人が大人と会話できる場合には、先生から子供へ直接質問されることもあります。
ここでのヒアリングはあくまでも不安を払拭し、教室利用をスムーズに行うためのものです。
稀に実利用に向けての簡単な面接を兼ねているところもありますが、そうであったとしても素直に回答しておくことが今後の利用をスムーズにするでしょう。
2:体験授業
子供の年齢に合わせた教材を使いながら、実際の授業と同じ内容を体験します。先生と1対1で授業のデモンストレーションを体験する教室もあれば、実際に在校生が授業している1コマに入る形で体験が進む教室もあります。
体験授業を行う時間は教室によって様々ですが、1コマ丸々入る教室は少なく30分間程度の短縮バージョンを体験することになるでしょう。
多くの教室で、体験している子供の様子を親がわかるように見学できますので、子供が教室に馴染めるのかをイメージしながら見学するようにしましょう。
3:教育アドバイス
幼児期の子供への教育アプローチとして注意すべき点やこの時期の子供の成長で大切にしたいことを、幼児教育の専門家である教室の先生から受けることができます。
また、体験授業以外の気になるコースや教材などがあれば、この時間を使って説明を受けるようにしましょう。
授業を受けてみての感想や申込に向けて不明に感じることなどを確認する時間としても使われます。
幼児教室の無料体験で見るべきポイントは?
昨今では、様々な企業が幼児教室を展開しています。
ここでは、幼児教室の無料体験に参加した際に、親が見ておくべき点についてご紹介します。
在校生の様子を見る
すでに入会している子供たちを観察することで、教室の教育水準を性格に判断することができるでしょう。先生からも様々な情報を得られますが、利用している生徒の様子が何よりも教室の実力を物語っています。
高い教育水準を求める他にも、生き生きと授業を楽しんでいるか?他の子供とは異なる違いが出ているか?など、同世代を育てる親として感じる点がないか観察します。
先生の様子を見る
幼児教室のレベルを最も左右するのは先生です。体験教室では先生の様子もしっかり観察するようにしましょう。
バイトの先生が多かったり先生がコロコロと変わるような教室は利用を避けるべきでしょう。
また、助手の先生がたくさんいたとしても主務となる先生が足りておらず、授業がうまく進んでいない教室は子供によほど力がないと授業を身につけることが難しいと言えるでしょう。
“実績”を確認する
小学校受験など、明確な目的を持って幼児教室を利用する際は各幼児教室が持っている「実績」を確認するようにしましょう。
大手の幼児教室などは各教室の実績ではなくグループ内の教室全体の実績をクラスに掲示していることがあります。
細かく確認すると利用を検討している教室からは実績があまり出ていないということもあるため、実績については丁寧に確認する必要があるでしょう。
利用料の明確さを確認する
利用料の明確さとは授業料の高低を指すのではなく、「どんなことにいくらかかるのか?」ということが明らかになっている必要があるという意味です。
高いからダメなのではなく、質の高い授業と高い実績が実現されるのであれば、高くても問題ないと言えるでしょう。
反対に、安いからといって子供の身につかない授業や魅力的でない教材が使われていると利用する価値はないと言えるでしょう。
また、稀に数ヶ月分の授業料を前納するように指示されるクラスがあります。
多くの幼児教室や習い事では授業料は毎月わけて払うのが一般的です。
理由が不明瞭であったり毎月の支払いに切り替えられない場合は、教室の利用を控えるのが賢明かもしれません。
幼児教室を利用する際に注意することとは?
最後に、無料体験を含んだ幼児教室選びで注意する点をまとめておきます。
幼児教室任せではなく、親の姿勢も重要
幼児教育の要は、幼児教室にあるのではなく家庭だと意識しましょう。どれだけ優秀な教室を選んだとしても、家庭でいい加減な生活を送っていたり親に社会的な常識が欠如していては正しい幼児教育を進められるとは考えられません。
他者に多くを求める前に、まずは親が自分の子供にどう育って欲しいのか?そのために家庭ではどんな教育方針を進めるのか?を相談するようにしましょう。
人気教室は無料体験ですらキャンセル待ちになっていることも
今回の記事では幼児教室の無料体験についてご紹介しましたが、どんな教室へも気軽に体験へ行けるわけではありません。
特に、都心部などの人気教室では無料体験さえもが人気でキャンセル待ちになっている状態です。
早めに予約をする他、人気教室の利用が難しい場合に備えて、自宅から無理なく通える範囲で別の教室を探しておく必要があるでしょう。
また、卒業生の紹介などが有効となる場合もあるため、幼児教室利用のネットワークを広げておくなどの工夫も重要です。
親や先生からの強制ではなく、子供の意思を尊重する
幼児教室選びで最も重要なのが親や先生から利用が強制されるべきではないという点です。 幼児教育の基本は子供の自主性を伸ばすこと。様々な力が備わる幼児期ですが、いずれもが子供の主体的な思いで取り組まなければ身につかないものばかり。
幼児教室の利用でさえも、子供が「通ってみたい」「あの先生とまた会ってみたい」という思いがなければ有効な時間にはならないでしょう。
まとめ
幼児向けのクラスを開設している教室施設は、幼児教室に限らずほとんどで無料体験を実施しています。
それほど、幼児向けの教育ではクラスの雰囲気や教室の指導法と子供とのマッチングが重要なわけです。
都合がつかなかったり手間がかかるからという理由で、無料体験を飛ばして利用を開始するのは絶対に止めましょう。
特に、いくつか施設の利用を検討している際には、必ず丁寧に無料教室を利用して子供と相性の良い教室を選び出す必要があります。
無料体験を活用し、お子さんにぴったりな教室を見つけられることを願ってます。