子供が2歳になると気になるのが言葉の進み具合ではないでしょうか。
周囲の子供で言葉がすらすらと出てくるような様子を見かければ、なおさら「うちの子はどうかな?」と不安になるもの。
今回は、2歳の子供について言葉の発達の目安をご紹介します。
2歳の子供はどのくらい話せるもの?
2歳児の言葉の目安
2歳ごろの子供は、言葉の発達に大きな個人差があるのが特徴です。
簡単な自己紹介がスラスラと話せる子がいる一方で、全く言葉を話さないと言うことも珍しくありません。
言葉を発さない子供について、言葉以外に子供の発育を見極める方法があります。
それは、自分の気持ちを身ぶり手振りで親に伝えようとしているか否か。
おもちゃを親に渡して一緒に遊ぼうとしたり、好きな食べ物を見て手を叩いて笑うなど、感情を体で表現できていれば大きな問題はないと言えるでしょう。
また、親が指示したことを理解して行動に移せているか否かも、言語能力の発育を見る目安となります。
「おすわりして」「おもちゃちょうだい」などを理解して行動に移せていれば、問題ありません。
一般的な言葉の発達の目安としては、「ブーブー、きた」「マンマ、たべる」「パパ、いる」など、日常生活や身の回りのものを2語以上のつながりで話せるようになるのが2歳児です。
子供の言葉の目安
話し始める子供が最も多い時期です。
「ママ」や「くっく(靴)」など、子供の身の回りの重要なものから話し始めることが多いでしょう。
子供の発話を促すためには、子供が理解しやすい“赤ちゃん言葉”を使って繰り返し語りかけることが重要です。
二語文を話す子供が増える頃です。1歳の頃よりもボキャブラリーが増え、1歳の頃から覚えている単語に簡単な動詞や形容詞を加えて話せるようになります。
子供が何をどんな風に感じているのかがわかるようになり、赤ちゃんの頃の育児とはまた違った子育ての面白さを感じられる時期でもあります。
三語文を話せるようになる時期です。2歳の頃に引き続き、言葉が爆発的に増える時期でもあります。
親が何気なく語りかけた言葉もスポンジのように九州し、その瞬間から自分のものとして使うことができる子も。絵本の読み聞かせなど豊富な語りかけがさらなる発話を促す時期でもあります。
2歳児の言葉が遅れてしまう理由は?
発話がスムーズに進む子がいる一方で、全く言葉を話さないと言う子がいるのも2歳児の特徴です。
なぜ言葉が遅れてしまうのかその理由についてご紹介します。
1番の理由は「個性」
複数人の子供を育てたことがある親であれば頷けるのが、1番の理由としてあげる個性です。
大人の性格がそれぞれ大きく異なるように、2歳児にもそれぞれの性格がしっかりと宿っています。
同じ情報を与えられても、自分の中で噛み締めてから発言する人がいる一方で、瞬時に考えを発言する人がいることは、誰より大人である私たちが知っています。
「上の子は2歳になっても話さなかったのに、下の子は1歳からうるさい!」などと言う先輩ママの声も聞こえて来ます。
同じように育てているきょうだいですらこんなに違うのですから、周りの子とわが子が違うのはあたり前なのです。
男女の脳の違い
最新の脳科学では、言語を処理する際に男性と女性では使用する脳の場所が異なることが報告されています。
男性が左脳のみを使うのに対して、女性は左脳と右脳の両方を使うとされています。
この傾向は幼児期にも当てはまると考えられており、一般的に見ても女の子の方が男の子よりおしゃべりが上手な子が多いです。
スクリーンタイムの増加
昔と今の育児で大きく異なる点といえば、テレビやスマホなどいわゆる“スクリーンタイム”と呼ばれる時間が育児中に多くなったこと。
最新の研究では、見ている動画の内容が子供にふさわしくないもの(例えば、暴力的・性表現があるなど)でなければ子供へ悪影響はないとされています。
教育要素を含むものであれば子供の成長をサポートすることを報告する研究結果もあります。
しかし、いずれの研究でも長時間の視聴を繰り返すことはよしとしません。
なぜなら、スクリーンタイム中は、幼児期の子供に最も重要かつ良質な刺激を与える親子のコミュニケーション時間が減少するためです。
日本小児科医会では、幼児のコミュニケーション能力の低下を危惧して以下の2つを提言しています。
・授乳中、食事中はテレビ・ビデオをつけない
とはいえ、きょうだいがいたりママが家事に集中したい時やお出かけ時に大人しくしてほしい時などに何より役立つアイテムであることは確か。
利用時間を大人がしっかり管理してメディア漬けにならない工夫が重要だと言えるでしょう。
2歳児の言葉を促すために保護者ができることとは?
最後に、言葉の発育が気になる際に親が子供へすべきサポート法をご紹介します。
おもちゃや食べ物の名前を教える
まず取り組みたいのは、親から子供への語りかけを意識することです。
最も簡単なのは、子供が興味を示した物事について名前や状態を教えてあげることです。
犬のおもちゃに手を伸ばした際に「ワンワンどうぞ」や食事をしている際に「マンマ食べようね、これはバナナでこれはミルクだよ」といった具合です。
子供からの反応がない場合も多いですが、ママやパパから発された言葉を記憶しながら触ったり味わうことで、物事を直感的に認識することができます。
子供が感じた感情を言葉にする
日々、子供は大人と同じくらいもしくはそれ以上に様々な刺激から多様な感情を体験しています。
しかし、言語能力が追いつかずにそうした感情を言葉にすることができません。
親が感情に気づき子供の代わりに言葉にして教えてみましょう。
これは語りかけの一種になりますが、子供の言葉と心の成長を促す重要なポイントです。
子供が転んだ際に「痛かったね、よしよし」と慰める、物を食べた際に「りんご、おいしいねー」と一緒に楽しむ。
こうした共感は、子供の成長に最も重要とされる力「自己肯定力」を高めることにつながります。
感情を共感しながら教えることは、言葉の発育のみならず子供の健全な心を育てるポイントだと言えるでしょう。
スクリーンタイムを意識的に減らす
先ほどご紹介したテレビやスマホを見せている時間「スクリーンタイム」を大人が意識して減らすことも、子供の言葉の発育を促すことにつながります。
もし利用する際も、こまめに子供の様子を大人が伺い「面白い?」「どう思った?」などと語りかけるようにしましょう。
また、テレビの利用は1日○分、スマホの利用は○曜日、などのルールを作ることも有効だと言えるでしょう。
専門家の中には子供のスクリーンタイムは1日2時間以内にとどめるべきだと提言する人もいます。
絵本を読み聞かせる
子供の発話を促す最良のツールとされているのが、絵本です。
対象年齢に合った本の中から、子供が興味を示すものを選んで繰り返し読んであげましょう。
1日○冊読む、寝る前は必ず読む、などルールを作っておくと習慣化しやすいです。
まとめ:子供の言葉の発達目安は個性。でもどうしても気になる場合は?
2歳ごろは、言葉の発育に大きな差があっても問題ないとされています。
1番の理由は「個性」です。
もし、言葉を発するのが少し遅いと感じたとしても、感情を体で表現できていれば大きな問題はありません。気長に見てあげてください。
しかし、日頃子供を観察している保護者がどうしても気になると感じた場合には、専門家に相談してみることで解決する場合もあります。
躊躇わず、相談してみてくださいね。