幼児教室は受験しないなら意味ない?“小受なし”でも通える教室は?

  

幼児教室は小学校受験をしないなら意味がないと感じていませんか?

幼児教育の重要性が叫ばれて久しい日本ですが、実はこんな“誤解”を抱いている家庭はまだまだ多く存在します。

今回は、幼児教室がある本当の意味小学校受験をしない家庭と教室との向き合い方などをご紹介します。

幼児教室は受験しないなら意味がない?


“小受なし“つまり、小学校受験を予定していない家庭で、幼児教室に通わせているというママ・パパが必ず一度は耳にするのが「受験しないのになぜ幼児教室に通わせるの?」という声。

「幼児教室いつ=小学校受験」という意識が強い現代の日本では、このような声があがるのは不思議なことではありません。

実際に“小受”をしないけれど幼児教室に通わせているママの声を確認しながら、幼児教室と小学校受験の関係を考えてみます。

3歳の男の子ママ

「息子は1歳半検診の際に軽い言葉の遅れを指摘されました。

私も同世代の子供と比べると、言葉の出が遅いことが気になっていました。

障害の有無などは3歳ごろにならないとわからないと言われていましたが、その頃から幼稚園に入れる前に集団生活を体験させる必要があると強く感じるように。

私自身が家庭だけの育児だけでなく、幼児教育の専門家に関与してもらいたいという気持ちも強かったです。

3歳近くになると言葉の発達は遅いものの、しっかりとコミュニケーションがとれるようになりました

幼稚園前に幼児教室に入れたい思いは変わらなかったので、予定通り教室へ。

入校と同時に、専業主婦のママ友との交流が激減したこともあり、「なんで幼児教室入れるの?」「受験させるの?」の質問攻撃に合うように。

丁寧に説明することを繰り返しましたが、これほどまでに幼児教室=受験の意識が強いのかと驚きました。」

2歳女の子ママ

「私は学生の頃に教育学を学んでいたこともあり、自分の子供が生まれたら早いうちから幼児教育の専門家と一緒に幼児期の子供を育ててみたいと考えていました。

幸いにも自宅近くに信頼のおける教室があったので、1歳ごろから娘と通っています

その教室に受験対策コースがあることも理由だと思いますが、ママ友ができるたびに「受験させるんだね」とコメントをもらうように。

実母からも受験前提のような会話をよくされます。

実際に教室に通ってみると、利用者は実に様々な理由で子供を教室に通わせているわけですが、まだまだ幼児教室は受験のためのものという世間の考え方は根深いようです。」

幼児教室の本来の意味とは?

幼児教室の意義とは?

ここで改めて、幼児教育の意義について考えてみましょう。

幼児教育の意義を再認識すると、幼児教室の存在についてもおのずと気づくことがあります。

「この幼児期の発達の特性に照らした教育とは,受験などを念頭におき,専ら知識のみを獲得することを先取りするような,いわゆる早期教育とは本質的に異なる。
幼児教育は,目先の結果のみを期待しているのではなく,生涯にわたる学習の基礎をつくること,「後伸びする力」を培うことを重視している。

幼児は,身体感覚を伴う多様な活動を経験することによって,生涯にわたる学習意欲や学習態度の基礎となる好奇心や探究心を培い,また,小学校以降における教科の内容等について実感を伴って深く理解できることにつながる「学びの芽生え」を育んでいる。

このような特質を有する幼児教育は,幼児の内面に働きかけ,一人一人の持つよさや可能性を見いだし,その芽を伸ばすことをねらいとするため,小学校以降の教育と比較して「見えない教育」と言われることもある。

だからこそ,幼児教育にかかわるに当たり,家庭や地域社会では,幼児の持つよさや幼児の可能性の芽を伸ばす努力が求められる。

また,幼稚園等施設における教員等には,幼児一人一人の内面にひそむ芽生えを理解し,その芽を引き出し伸ばすために,幼児の主体的な活動を促す適当な環境を計画的に設定することができる専門的な能力が求められる。

このように,幼児教育は,次代を担う子どもたちが人間として心豊かにたくましく生きる力を身につけられるよう,生涯にわたる人間形成の基礎を培う普遍的かつ重要な役割を担っている。

また,学校教育のはじまりとして幼児教育を捉えれば,幼児教育は,知識や技能に加え,思考力・判断力・表現力などの「確かな学力」や「豊かな人間性」,たくましく生きるための「健康・体力」からなる,「生きる力」の基礎を育成する役割を担っている。」

引用元:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1395402.htm

上記は、文部科学省が平成16年に発表した「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について(中間報告)」の中で幼児教育について提言した文章です。

ここに、幼児教育の本質が詰まっていると言えるでしょう。

冒頭にもある通り、幼児教育とは受験合格を目的に知識を詰め込む教育とは本質が異なるのです

多くの幼児教室ではこの違いを明確に教育方針として分けており、幼児教育に特化したコースと受験対策のコースとを併設しているところも見受けられます。

また、あえて本来の幼児教育を徹底するために「受験対策はおこなわない」という教育方針を掲げて運営を続ける教室もあります。

幼児教室に通わせていると前章でご紹介したような「幼児教室=受験」という世の中の固定概念から、様々な疑問を投げかけられることもあります。

しかし、幼児教育の本来の意味を理解していればいるほど、受験をせずとも幼児教室へ通わせることの重要性に気付けるのかもしれません

小学校受験をしない家庭は幼児教室とどのように向き合うべき?

先述した幼児教育のベースをなす考え方として、幼児期の子供の教育は家庭を中心におこなわれるべきというものがあります。

そして、この考え方は多様な生き方が認められるようになった昨今の日本でも、特別なケースを除いて変わることはありません。

幼児期の子供にとって最も重要なことは特別な教育メソッドではなく、基本的な生活習慣の習得と集団生活を生き抜くためのしつけです

この2つを教える際に、最も適している場所が家庭でありそれ以上に、“指導者”として最も適切であるのが深い絆で結ばれている両親なのです

この基本的な考え方を心得ていることが、幼児教室の利用には不可欠だと言えるでしょう。

これは小学校を受験しない家庭に限ったことではありませんが、「幼児教室=子供の全ての教育を任せられる場所」と誤解すると子供や教室との関係に溝が生じかねません。

そして、教室の利用を決める際は、このベースを家庭で築きながら、プラスアルファの教育として何を幼児教室に求めるのかを、今一度家庭で議論すべきだと言えるでしょう。

“小受なし”でも通える幼児教室


最後に、小学校受験を予定していない家庭におすすめの幼児教室をご紹介します。

コペル

幼児教育に限らず、発達支援就学氏の指導など様々な分野での教育アプローチが受けられます。

受験コースも存在しますが、予定していない家庭に向けた幼児教育が充実している点も魅力と言えるでしょう

どんちゃか幼児教室

全国各地に教室を構える大手の幼児教室です。

そもそも受験対策のコースを持っておらず、本来の幼児教育に特化している点が特徴です。

0~3歳までの教育に特化しているため、乳児のママでも気軽に通える雰囲気や教室づくりがされているのも魅力の1つと言えるでしょう。

七田チャイルドアカデミー

脳科学的なアプローチから幼児教育を行っている教室です。

受験のための教育が幼児教育に反しているという視点から、受験対策コースを一切創設していません。

本来の幼児教育を、科学的根拠に基づいた指導法で享受したい家庭には、ピッタリの教室だと言えるでしょう

まとめ


今回ご紹介した通り、幼児教室の本来の目的は別にあります。

それは、最も吸収力が高く潜在能力が秘められている幼児期の子供へ、適切なアプローチを行うことで、これから始まる人生の基礎となる力がしっかり作られるようサポートすることです

もちろん、家庭での教育も重要ですが、幼児教育の分野では“素人”であることが多いママやパパには養えない部分があるのも事実です。

今回の記事を参考に、子供にとって本当に良い選択は何なのか考えてみてください。