子供に習い事のやる気が出ない!?やる気を上下させる親の言動とは?

  

子供に習い事をさせる親は急増しており、今では幼児期からスタートさせるのが当たり前になっています。

しかし、思い切って始めたものの、子供に習い事のやる気が出ずに参っているママは意外に多いのではないでしょうか?

子供の習い事のやる気を上下させるのは、親の言動にあることを知っていますか?

子供に習い事のやる気が出ないのはなぜ?

子供のやる気についての専門家の意見

都留文化大学特任教授で教育デザインラボの代表理事でもある石田勝紀氏は東洋経済ONLINEの中で子供のやる気について、「勉強をさせる」という例を使ってこのように述べられています。

『いくら勉強させようとして、参考書や問題集を用意しても勉強をやり始めることはありません(勉強していても本気ではありません)。

それよりも、スパークする何かと出会うことで、興味関心を持って本気で勉強するようになっていくのです』つまり、重要なことはどう点火するかであり、ひとたび発火すれば人はやる気になって本気になるわけです」

そして、1つにスパークするきっかけは「人」によって“発火”されると述べます。

その人は、親ではない第三者が好ましいのだとか。

例えば、習い事の先生や博物館の学芸員など、プロの大人から親子一緒で学ぶのが良いと提言しています。

もう1つは、「雰囲気」と続きます。

医者の家で医者が育ちやすいように、思考することが習慣になっている家庭では考えることが好きな子が、アウトドア好きの家では自然への意識が強い子が自然と育つと述べているのです。

記事中で石田氏はこの状態を「静かなスパーク」と呼んでいます。

一般的には「子供は親の言うようにならず、親のするようになる」と言ったところでしょうか。

氏は「子供を取り巻く環境を見直そう」とまとめており、親が子供に○○をさせたいと望むのであれば、親が○○しやすい環境を作ることから始めなければならいと言うのです。

引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/79700

子供に習い事のやる気が出ない理由

石田氏の見解を参考にしながら、「子供に習い事のやる気が出ない理由」を考えていきます。

まずは、第三者の大人を起点に考えてみると、習い事の先生の存在が見えてきます。

本来は子供のやる気スイッチをオンにしてくれる存在ですが、やる気が出ないのであれば、1つには子供との相性が考えられるでしょう。

先生と子供の様子を観察してみると発見があるかもしれません。

また、どれだけ先生が熱心なアプローチをされていても、そもそも子供が習い事の内容に興味を示していなければやる気は出ないので、その点についても子供の様子を見る必要があるでしょう。

子供にやる気が出ない理由を質問してみるのも良いですが、うまく言葉に出来ないことが多いのでまずは親が冷静に習い事の環境を観察することから始めたいものです。

続いての雰囲気ですが、こちらについては親自身が家庭環境を見直す必要があるでしょう。

知らず知らずのうちに、習い事にやる気が出ない雰囲気が親子の間に流れていませんか?

例えば、子供が小学校に上がるとそれまではつきっきりで習い事の様子を観察していた保護者が、子供を預けて外出するようになります。

忙しい育児の貴重な空き時間なので、一人で使いたい気持ちはわかります。

しかし、子供の立場ではどうでしょう。

それまでは「よく頑張ったね!」と声をかけてもらい笑顔が輝いていた子供が、浮かない顔でお迎えが来るのを待っていることもあるわけです。

達成感に大きな差が生まれるのは歴然としています。

子供の習い事のやる気を上下させる親の言動とは?


では具体的に、子供の習い事のやる気をアップさせるには、親はどんな言動を心がければいいのでしょうか?

ここでは、アップさせるものとダウンさせてしまうものとに分けて具体的にご説明します。

やる気をアップさせる言動

・子供の声をしっかり聞く

基本的なことですが忙殺される育児の日々の中で、親は子供の些細な一言を聞き逃してしまいがちです。

子供の本音は向き合って話し合っていても出てこないことが多いです。

育児上手な親は自分が家事をしていると見せかけて、子供が本心をつぶやくのを待っています。

大人だって面と向かって問われると伝えにくいことが多いですね。

親が何かをしているタイミングにこそ、子供は本音を話すものです。

・褒める

大人にしてみたらどうってことないことでも、子供の「できた!」とことん褒めましょう

特に、幼い子供の中心は親の存在です。

親に褒められること以上に嬉しいことはないと言っても過言ではないでしょう。

子供のやる気を伸ばすには、小さな「できた!」を見逃さない心がけが重要です。

・目標づくりがうまい

現状の子供の能力を適切に見極め、頑張れば達成できる目標づくりをしてみましょう。

目標設定の際に子供の意見を尊重することを忘れてはいけません。

習い事の上達が目標になればなお良いですが、「先生に大きな声で挨拶する」とか「忘れ物をしない」など、基本的なことが目標になっても全く構いません。

目標がクリアできたら、たくさん褒めることを忘れずに

・一緒に楽しむ

子供のやる気をアップさせるのが上手な親は、多くのことを子供と一緒に楽しんでいます

一緒に習い事をするのもいいですし、子供が習い事の練習をしている間に、別のことで親も集中する時間を取るのも良いでしょう。

一緒に頑張って一緒に達成することを楽しめれば、親子の絆を作る貴重な時間も得られるのです。

やる気をダウンさせる言動

・習い事の詰め込みすぎ

最近の傾向として、幼い頃から複数の習い事を子供に掛け持ちさせる家庭が増えています。

中には、平日の午後は全て習い事で埋まっているという家庭があるほど。

もちろん、習い事の分量はそれぞれの家庭の教育方針によるところなので、どれくらいが適切という目安はありません。

しかし、子供が家族とコミュニケーションを図ったり、自由に遊べる時間が極端に少ないのは考えものです。

また、毎日の習い事で心身を消耗してしまい、本来のやる気が出せないという事態にも陥りかねません。

・比較する

答えのない育児中には、自分の子供を様々なものと比較してしまいます。

周囲の同世代の子供や親が幼かった頃、テレビで見た天才児と自分の子とを比較した経験がある人は意外に多いでしょう。

親の心の中でとどめておくならまだしも、「○○ちゃんはできるらしいよ!」などと声かけをされてしまっては、やる気を起こしたくても起こしようがありません。

客観的に聞くと納得できる話ですが、ついついやってしまう親の悪いサガと言えるでしょう。

・親が何でも決める

習い事の種類や頻度、目標までを親が決めていませんか

どれだけ幼くても子供には自主性が備わっています

習い事について子供の意見が把握できないうちはまだスタートすべきではないという意見もあります。

教育方針のために仕方ない部分もありますが、なるべく子供の自主性に任せて子供に選択肢を与えるようにしましょう。

・物でつる

「頑張ったら○○をあげる」などと物でつると話が早いことは多いでしょう。

短期的には子供もやる気を見せてくれます。

しかし、物のご褒美に子供は慣れる性質があります。

エスカレートすれば物への感謝が薄れてしまう危険性も

ご褒美はなるべく親からの賞賛で応えたいものです。

親が変われば子も変わる?


どんな人も他人を変えることはできません。

相手がわが子であってもそれは同じこと。

子供が習い事にやる気を見せないと悩むなら、まずは親自身が自分を見つめ直さなければいけません

習い事を頑張りたくなる雰囲気づくりは最も重要なポイントだと言えます。

そしてそんな雰囲気には親の存在が大きく関与しているわけです。

これを機に、習い事に限らず子供がやる気を出せる雰囲気づくりについて考えてみてください。