子供の習い事が多様化する昨今。
デジタル化や国際化が進み、プログラミングや英語教育を習い事に選ぶ家庭が増えていますが、その一方で変わらず人気のある習い事が武道です。
子供に武道を習わせるのはあり?と親であるあなたも考えているのではないでしょうか。
そこで本記事では、武道に人気がある理由やそもそも武道は習い事としてありなのかについて、ご紹介します。
子供の習い事に武道はあり?
子供の習い事に武道はぴったり!
結論から言うと、子供の習い事として武道はぴったりだと言えるでしょう。
その理由は、いくつかあります。
1:礼儀作法が身につく
日頃の挨拶や感謝の気持ちを伝えるなど、人間社会での社会秩序を守るために必要不可欠な行為が礼儀作法です。
基本的には家庭教育で教えるものですが、礼儀作法を重んじる武道を習うとさらに教育効果を高められると言えるでしょう。
武道のスキルを上げることと合わせて、人としての基本的なマナーを鍛えられることは、武道を子供に習わせる大きなメリットです。
2:姿勢が良くなる
武道の多くには「型」と呼ばれる技を身につける上での基本姿勢が存在します。
そのどれもが、背筋をピンと伸ばした印象の良い姿勢をベースとするものばかり。
外遊びの減少がもたらす基礎体力の低下や、デスク学習・ゲーム時間の増加が子供の背中の筋力に影響を及ぼし、猫背が増えています。
姿勢は人の印象を大きく左右する要素のため、幼少期に良い姿勢を身につけられることは大きなポイントでしょう。
3:精神的な強さが備わる
武道の原型にはその昔、実際に敵と戦った背景があります。
今もその名残を受け、何事にも負けない強さや勝つまで粘る忍耐力を高める訓練が施されます。
アプローチ法は各種武道によって異なりますが、忍耐力や集中力など精神力が高められることが共通しています。
力が備わっていないと自分の命が奪われることもあった時代をルーツとするのが武道です。
そのため、他の習い事とは比べ物にならない精神的なタフさを手に入れることができるでしょう。
4:いじめ対策の面も
子供を取り巻く大きな問題であるいじめ。
武道を習うといじめ対策になるというメリットも考えられるでしょう。
もちろん、いじめには個々の案件において様々な背景があるため、武道を習っていればいじめたりいじめられたりしない、と言い切ることは危険です。
それでも、強いものに屈せず相手を思いやる気持ちを学べる武道には、少なからぬ効果があると期待できるでしょう。
子供に武道を習わせるのは何歳から?
幼児教育の高まりを受けて、幼い頃から習い事をスタートさせる家庭が増えています。
しかし、武道に限ってはあまりに幼い頃から始めても意味がないと言えるでしょう。
体を動かす習い事ではあるものの、先生の言葉を介して自分の気持ちや動きを律する面が大きいためです。
いずれの武道においても、早くとも親や先生の言葉がわかる5歳くらいからスタートさせるのが好ましいです。
種類別の得られる効果・注意点
子供が始められる武道には、いくつかの種類があります。
代表的かつ人気が高いのは「空手」「剣道」「柔道」の3つです。
その他にも「少林寺拳法」「合気道」「日本古武術」などの変わり種も存在します。
それぞれについて得られる効果や覚えておきたい注意点をご紹介します。
人気の3種類
・空手
<特徴>
流派によっては、道具を使わず体のみで簡単なポーズから始めることができます。そのため、比較的幼い子供でも取り組みやすい特徴があります。
道着が5,000円〜10,000円程度、月謝が5,000円前後と低価格でスタートできることも人気の1つとなっています。
<注意点>
自宅から通える範囲の教室がどんな流派なのか?幼い子が習えるのか?をチェックする必要があります。
指導者の考え方で礼儀作法の度合いや始められる年齢にも差があります。
また、試合や遠征が多い教室では追加に多くの費用が発生することもあります。
・剣道
<特徴>
各種武道の中で礼儀作法がきっちりしていることで有名なのが剣道です。
特に、子供の習い事では礼儀の基本となる声出しを重点的に行う教室が目立ちます。
他の武道と同じく、対戦練習の前に時間をかけて基本の型を磨きますが、大きく異なるのは竹刀と呼ばれる道具がある点でしょう。
初めのうちは、使いこなすのが難しいと感じる子供もいますが、慣れてくるとヒーローのような感覚を得られて喜ぶ子供が多いです。
<注意点>
道具代やその維持管理が必要なのが、剣道の注意点です。
習い始めは数千円で購入できる竹刀だけで済む教室もありますが、成長に連れて防具などの道具を要します。
トータルで5万円前後を見ておく必要があるでしょう。もちろん、維持のための費用やケアも必要となります。
その他、他の武道と同じく昇級や遠征に費用が発生する点にも要注意。
・柔道
<特徴>
日本国内で最も人気のある武道でもある柔道は、子供たちからの人気も高いです。
他の武道と比べるとテレビで目にすることも圧倒的に多いでしょう。
警察署で指導を受けられる場合が多いので、通える範囲にあれば問い合わせてみるのもおすすめです。
他の教室よりも安くで教えてもらうこともできます。
柔道には多様な技がありますが、子供には受け身や簡単な技が教えられることが多いです。
<注意点>
道着は1万円前後の費用がかかります。
昇級や遠征に費用がかかるケースも多いです。
他の武道と異なり相手と直接稽古をすることが多いため、思わぬ事故につながる危険性が比較的高い点にも注意が必要です。
変わり種
・少林寺拳法
中国武術の体系を組んだ日本で生まれた武道です。
「人づくりの行」をコンセプトにしている武道であるため、精神鍛錬や健康増進など幼児教育に欠かせない要素を含んでいるのが魅力。
ダイナミックなポーズが特徴で、子供も好奇心を持って取り組みやすいと言えるでしょう。
道義や昇給に費用が発生します。
・合気道
空手と似た印象を持つ人が多い合気道。
大きな違いは、試合がないことです。
受身が中心の稽古となるため、子供の怪我を懸念する家庭によっては、子供にぴったりな習い事と考えられることも。
武道で戦うことの強さよりも、精神的な鍛錬に重きをおいた武道だと言えるでしょう。
・日本古武道
日本の伝統文化を学ばせたい家庭におすすめなのが、こちら。
合気道と同じく戦いよりも心の鍛錬に重きを置いています。
精通する人の中には、師範に人格者が多いともいるので、生涯の恩師を探したい場合にはおすすめの武道と言えそうです。
武道を始める前に親が確認したいこと
子供の適性や希望を確認
武道は子供への教育効果が非常に高い習い事ですが、だからと言って親の一方的な勧めで始めるのは好ましくありません。
子供の性格によって向き不向きがあるのも事実です。
もっとも適性を判断しやすいのが、子供の希望を確認する方法です。
5歳にもなると趣味嗜好がはっきりしているので、一度子供と一緒に見学に行きましょう。
子供自身に、自分がその場にいるイメージがつくかを確認させることが重要です。
親の負担を考える
ほとんどの武道にはそれぞれに、道着と呼ばれる衣服が存在します。
一般的な衣服とは大きく異なり、分厚い生地でできているため洗濯が大変です。
また、剣道には複数の道具を必要としますし、それぞれに簡単ではない手入れの方法があるのです。
子供が成長すれば自分で管理させることもできますが、習い始めは親の負担になるのも事実。
また、前章でご紹介した通り、武道を習うとお稽古代以外に昇級や遠征に費用が発生します。
親の負担が理由で習い事を辞めさせることがないように、スタートする前にしっかり確認すべきだと言えます。
デジタル化・国際化が進む近未来にこそ、武道の精神を
デジタル化や国際化がますます進む将来を見据え、プログラミングや英語教育を習い事に選ぶ家庭が増えています。
しかし、礼儀礼節や日本に古来から受け継がれる精神を教えられる習い事はそうありません。
幼少期の習い事だからこそ、日本人の基礎を教えてもらえる武道の習い事は、選択肢の1つとして考えたいものです。