生後半年ごろから2歳あたりまで、親を悩ませる子供の人見知り。
激しく泣くような場合には、外出したり人に会うのが億劫になるなど大人の生活にも支障をきたします。
今回は、そんな子供の人見知りについて原因や対策をご紹介します。
子供の人見知りはなぜ起こる?
人見知りの時期とは?
人見知りは多くの場合、赤ちゃんが人の顔を識別できるようになる生後半年ごろから始まることが多いです。
視力は0.1程度しかないとされていますが、このころの赤ちゃんはママやパパとそれ以外の人とを区別することができます。
お遊びに来たおじいちゃんおばあちゃんの顔を見ていきなり泣き出したことで、人見知りの開始を知ったという保護者の方は多いでしょう。
人見知りが終わる時期は子供によって様々で、数日で終わったというケースから長い子であれば2歳を過ぎても続くことがあります。
人見知りとは?特徴やメカニズム
そもそも子供の人見知りとは、赤ちゃんから幼児期にかけて子供が見知らぬ人に出くわしたときに起こります。
自分と知らない人への警戒心の現れですが、幼い子であれば大声で泣いたり暴れたり、幼児期に入ると親の後ろに隠れたりそれまでとは打って変わっておとなしくなったりするのが特徴です。
これまで、赤ちゃんが人見知りになる理由は身近な人物(パパやママ)とそれ以外の人が区別できるようになったからだと言われていました。
最新の研究を続ける科学技術復興機関によると、赤ちゃんは生まれて数時間から数日というごくわずかな時間でお母さんを自分の母親だと理解していることがわかっています。
さらに、人見知りは単に怖がっているのではなく見知らぬ人に興味を持つことによる心の発達であることが明らかになり始めたのです。
そのため、今まではニコニコと愛想よく接していた親戚や友人などでも人見知りの発達段階にくると目が合ったり抱っこされるだけで泣いてしまうことがよくあるわけです。
親としては焦ってしまいますが「心が成長している証しだ」と考えるようにしましょう。
人見知りは育て方のせい?
幼い頃からママ以外の人と接すると火がついたように泣く子がいる一方で、何歳になっても見知らぬ人へニコニコと接する子がいるのも事実です。
特に激しく人見知りする子供の場合は「親の育て方が悪い」などと指摘され悲しい思いをした保護者の方も少なくないでしょう。
しかし、人見知りをするのもしないのも、どちらがいいということはありません。
また、同じ環境で育てられているきょうだいですら、人見知りをすることしない子がいるので、もちろん育て方によるものではないのです。
ではどうして人見知りをする子としない子がいるのか?
それは「個性」というほかありません。
大人でも知らない人とすぐに打ち解けられる人がいる一方で、初対面の人が苦手な人もいることを考えると頷けるのではないでしょうか。
確かに、日頃からよく外出して他人と接する機会が多い子供や大家族で親以外の大人になれている子供であれば、人見知りが少ない傾向にあることは確かです。
そう言った意味では、子育て環境が赤ちゃんの人見知りに与える影響は多少なりともあるかもしれません。
だからと言って、無理やりたくさんの人に合わせる必要はありません。
親も子も自然なスタイルで、子供の成長を見守りましょう。
子供の人見知りを和らげるためのステップ
人見知りは、子供の心の成長過程の一過程ではありますが和らげるための方法はあるのでしょうか?
親以外の大人と会う際に覚えておきたい効果的な方法を順を追ってご紹介します。
ステップ1:子供の目を見ない
最新研究の中には子供が人見知りをするのは、初対面の人を敵だとみなす本能的なものであると報告しているものもあります。
そもそも動物にとって目を合わせることは相手を威嚇するような場合に限られるため、そうした本能的な記憶が蘇るのかもしれません。
大人であれば発達した脳の前頭前野と呼ばれる分野で相手が危険でないことを理解できるわけですが、赤ちゃんはまだ未発達なため反射的に湧き上がってくる恐怖を抑えることができずに泣いてしまうとされています。
こうした赤ちゃんの習性を理解し、親以外の人に人見知りをする場合は「赤ちゃんの目を見ないようにしてみて」とお願いするのも方法でしょう。
ステップ2;子供の話題を避ける
どうしてもかわいい子供の姿を目の前にすると、子供の話題をワイワイと話したくなるものですが、人見知りしている子供にはそれはNGです。
自分に注目が集まることでさらに人見知りが進む傾向にあります。先ほどご紹介した目を合わせない理由にも通じるところがありますが、子供の存在を認めつつも自然に距離を縮めることが人見知りには有効でしょう。
親と別の話題で盛り上がりながら、子供に気づかれないように様子を伺うのが得策だと言えます。
ステップ3:母親と親しいことをアピールする
子供は母親の反応を見て、その人が自分にとってどんな人なのかを学ぶとされています。
そのため、人見知りを緩和させるためには母親と相手の大人とが親しいことを子供にアピールするのが効果的だと言えるでしょう。
母親が楽しげに笑顔で会話している相手であれば、自然と子供も自分の心を許すことができるのです。
この点からしても、子供と目を合わせて過剰に注目したり話題にあげてチヤホヤすることは、人見知りの点からすると良いとは言えません。
やはり、子供を認めつつ親と自然に楽しく会話することが子供の人見知りの最良の対策と言えそうです。
また、普段から親ができる方法としては以下の2つが挙げられます。
1つの傾向ではありますが、親が人見知りをする性格の場合は子供の人見知りが強くなるとされています。
先ほどもご紹介した通り、子供は親特に母親の反応を介して自分と相手との距離を測るとされています。
そのため、親が人見知りをしていると子供にも不安な気持ちが映り、人見知りしやすくなるのです。
子供同様に、親にも人見知りしやすい性格とそうでない性格があるので無理をする必要はありませんが、子供の人見知りを緩和したい場合には意識してにこやかに相手とコミュニケーションする必要があるかもしれません。
外出先で知らない人と会う機会が多かったり大家族で親以外の人に慣れている赤ちゃんは、人見知りの傾向が少ないことがわかっています。
この性質を利用するなら普段から公園や育児支援センターに通う方法もおすすめです。
核家族化が進む現代の日本では、意識して外に出ないとどうしても母親と子供が家の中で2人だけという環境が続きがちです。
買い物に出たとしても昔のように近所の人やすれ違う人が気軽に話しかけてくる状況に、多くの場合ありません。
子育て中のママが初対面の人と安心して話せる環境は、子連れの親子が集う場所にあります。
昔は公園がそれに当たりましたが、現在は自治体が運営する子育て支援センターなどと呼ばれる室内施設に変わっているところが多いでしょう。
まだ利用したことがない人は、自宅のある自治体のホームページなどを確認して出向いてみることをおすすめします。
保育園や幼稚園に上がる前の子供同士が交流できる場でもあるので、人見知りが緩和されることが期待できます。子供と親のペースで少しずつ人見知りを緩和してみる
人見知りは、いつか終わる正常な心の成長です。
数日で終わることもあれば、2歳を過ぎても続く子供もいるので終わる時期は様々ですが、それは子供の「個性」だと捉えてくださいね。
決して、育て方の問題などではありません。
焦ることなく子供とそして親のペースに合わせて、緩和していくようにしましょう。