音楽に合わせて楽しく体を動かす教育法、リトミック。
比較的新しい幼児への教育的アプローチですが、その楽しさや教育的意義の高さから幼児教室でもどんどんと導入しているクラスが増えています。
今回は、そんなリトミックについて、内容や効果そして教室を選ぶ際の注意点をご紹介します。
幼児教室でのリトミックとは?
そもそもリトミックってなに?
リトミックとは、音楽の教育的アプローチの1つです。
音楽に合わせて体を反応させることを通して、心身の基本的な機能を高めます。
子供というのは元来、体を動かすことが大好きなため、楽しみながら能力を伸ばせるのがリトミックの最大の魅力です。
リトミックの多くは、「リズム」「ソルフェージュ」「即興」の3つで成り立っていることが多いです。
「ソルフェージュ」:先生のひくピアノなどに合わせて楽譜をみながら歌います。
「即興」:自分で音楽に合わせて動きを創作します。
幼児教育の分野でリトミックが発展した背景を持つ日本では、リトミック=子供のものと思われがちですが実際はそうではありません。
音楽教育の1つであるため、年齢を問わずにその教育的アプローチを享受することが可能です。
リトミックの最大の魅力は、表現力や創造力を養う右脳と、思考力や判断力、分析力を養う左脳の両方を使うことにあるとされています。
幼児教室でリトミックを学ぶとは?
テレビから流れてくる音楽に合わせて、小さな子供が体を動かす姿を目にしたことがある保護者は多いことでしょう。
そもそも子供は体を動かすことが非常に大好きな特質を持っています。
成長するにつれて表現することが苦手になる日本人ではありますが、そんな人が元来持ち合わせている特質を幼少期から伸ばすことができるのが、幼児教室で実践されているリトミックなのです。
リトミックを実践する幼児教室にはいくつかの特徴があります。
ここでは代表的なリトミック教室の特徴をご紹介します。
家庭の教育方針や子供の性格に合わせて選びましょう。
・音楽重視のリトミック
幼少期の学びが大事とされる「音感」や「リズム感」。
こうした音楽的要素を重視したい家庭におすすめなのは、音楽教室が開催するリトミックです。
ピアノやその他の楽器を習う前の前段階としてリトミックが位置付けられています。
赤ちゃんから通えるクラスもあり、音楽教育の基礎中の基礎を学ぶには最適な教室だと言えるでしょう。
・英語が学べるリトミック
リトミックの実践に英語を使用しているクラスも多くあります。
音感やリズム感同様、幼少期からの学びが重要とされる語学を、リトミックに合わせて習得することができます。
リトミックが子供に与える効果
頭と体を刺激してくれる
リトミック教室の大きな特徴が、友達と一緒に学べるということです。
ほとんどのリトミック教室が同年齢の子供を5人以上集めて開催されます。(1対1でのクラスもありますので、各クラスの教育方針を確認しましょう)
周囲の友達と刺激しあうことで子供に、思考力・表現力・判断力・記憶力を養うことができるとされています。
頭と心を目一杯使った幼児教育の実践が期待できるでしょう。
話を聞く習慣づけができる
「○○の音が聞こえたら、ゾウさんで歩く」これは、よくあるリトミックの指導法です。
決められた音を聞き取って、子供たちは動物になりきって体を動かします。
この一例からもわかるように、リトミックでは音や先生の指示をよく聞いていないと楽しむことができません。
人の話を集中して聞く力は、就学後になくてはならない力ですが、リトミックでは楽しみながらそうした力を身につけることができると言えるでしょう。
「即時反応」が身につく
音を聞き取り素早く反応することを「即時反応」などと言います。
リトミックはほとんどがこの即時反応を鍛えることができる要素で出来ています。
ただ音を聞くのではなく、どんな種類の音なのかを聞き分けて瞬時に反応する力を要するため、思考力の伴う即時反応を鍛えることができると言えるでしょう。
即時反応という言葉は聞き馴染みがないと思いますが、「自分で考えて行動できる力」と言い換えれば、その力の重要性を理解できる保護者の方は多いでしょう。
人前で表現する力がつく
子供には、無限の表現力が備わっていると感じることが多いでしょう。
つたない言葉を使いながら、身振り手振りで保護者に様々なことを伝えようとしてくれます。
リトミックではそんな表現力の芽を大きく育てるだけでなく、人前で堂々と自分を表現する力までも培うことができるのです。
プレゼンテーション能力と言い換えれば、その重要性が明確になります。
就学後はもとより、大人になっても貴重な力であるプレゼンテーション能力は、幼児期から育てることができるのです。
リトミック教室を選ぶ際に注意すべきこと
年齢ごとの指導法がある教室を選ぶ
幼児教室を選んでおけば、幼児を対象としたリトミックの指導が受けられるのは確かです。
しかし、その中でも年齢別に細かく指導内容を分けているクラスがおすすめです。
幼児とひとくくりにしても、歩き始めの1歳児と大人の言っていることがおおよそわかり自分の気持ちも言葉で表現できる3歳児とでは大きく違います。
特に、0〜1歳の乳幼児はママと一緒に参加できるクラスがおすすめです。
リトミックの要素に加えてママとの触れ合いに重点を置いたマッサージなどを導入しているクラスもあります。
見学や体験レッスンで子供とのマッチングを見る
リトミックに限らず、幼児教室で重要なのはママや子供と教室の雰囲気がマッチしているかどうか。
こればかりは親子で実際に見学や体験クラスを受けなければわかりません。
多くのクラスが無料体験制度を導入していますが、体験なしで入会を強いられるクラスはおすすめできません。
ママが良いと思っても子供が抵抗するようであれば、長く続けることは難しいと言えるでしょう。
自宅から近く親子の負担が少ないクラスを選ぶ
幼児の習い事には保護者の送り迎えやレッスン中の付き添いが必須となります。
自宅から離れていると送迎が親の負担になる可能性があります。
また、車に長時間揺られていると、ほとんどの子供が眠たくなってしまうもの。
送迎中に深く眠ってしまうとレッスンを万全の体調で受けることが難しくなってしまいます。
帰宅が遅くなれば1日のリズムを崩すことにもつながりかねません。
せっかくの幼児教育が生活リズムを崩す元になっていては元も子もありませんね。
そのため、教室を探す際は可能な限り自宅から近いところを選ぶように心がけたいものです。
リトミック卒業後の受け入れについて
幼児向けのリトミックを卒業したのちに、同じクラス、同じ先生から楽器や英語が習えるクラスがあります。
長く同じ指導者につくことは、子供が安心して指導を受ける貴重なポイントです。
可能であれば、リトミック卒業後も生徒に向けた習い事が展開されている教室を選ぶようにしましょう。
リトミックは子供の人間力の基礎を作ってくれる
今回は、幼児教室でのリトミックについてご紹介しました。
様々な効果をご紹介しましたが、一言で言うとリトミックは幼少期の子供たちに、人間力の基礎を作ることができる習い事だと言えるでしょう。
楽しみながらこの先生きるために重要な力を育むことができるリトミックを、ぜひ習い事の選択肢として考えてみてください。