小学校を中心に以前に比べ「発達障害」という診断がなされる子が増えてきました。
増加しているわけではなく、これまで性格だと思われていた子供の言動に診断名がついたことによる顕在化と捉えるべきでしょう。
今回は、子供の発達障害が気になる場合に相談すべき場所や方法をご紹介します。
発達障害の子を持つママの体験談
ママ友との会話や自治体の検診で発覚:30代Iさん
2歳までは全く他の月齢の子供と変わったところはなかったのですが、3歳に近づくにつれて周りの子はどんどんと会話が成立するくらいに話すようになるのに、うちの子はまだ『アーアー』とか『ウーウー』くらいの発語しか見られなかったんです。
男の子は話すのが遅いと聞いていたのでそんなものかな?と思っていたのですが、3歳児検診を受けた際に『発達障害の傾向が見られる』とグレーな診断を受けました。
早いうちに専門家の指導を受けると改善することもあると言われたので、自宅から通えることばの教室を探して今、毎週数回通っています。」
保育園の先生の指摘で気になるように:30代Oさん
障害の傾向があるとわかったのは、保育園に預けて少しした頃です。
○○ちゃんの様子を見ていると、以前に発達障害と診断された子供の様子に似ている、と教えてくれました。
病院にかかってアドバイスをもらえば早期療育にもつながるので、一度診察してもらうといい、とも教えてもらいました。
自治体の検診でも同じようにアドバイスをもらい、今は発達障害のテストを受けられる病院で診断の予約日が来るのを待っている状態です。」
上記の2つの事例からもわかるように、子供に発達障害の傾向があることに気づけるのは親だけとは限りません。
特に、日中ママが一人で育児をしている家庭では同年齢の子供と比較する機会がほとんどなく、個性なのか発達障害の特徴なのかを見極めることは困難です。
また、子供が幼ければ幼いほど障害の有無を確認するのは難しく、保育園や幼稚園、中には小学校に上がるまでは全く異変に気づかなかったというケースもあります。
子供の発達障害の相談をする際にやっておきたいこと
では、子供の発達障害が気になり専門機関で診察を受ける際にはどのような準備をすればいいのでしょうか?
相談する前に準備するもの
・母子手帳
母子手帳には医療機関の専門家などが分娩時の様子や検診時に確認された発育状況を細かくメモしてくれています。
また、親が定期的に子の発育状態をメモができる欄も用意されており、相談の際に提出すると細かく子供の成長過程を専門医に伝えることができます。
そのため、成長記録の欄には適宜、記録をつける習慣を持ちましょう。
・健康保険証
発達障害の診断は保険が適用されます。
そのため子供の保険証を必ず持参するようにしましょう。
すでに別の診察でかかった経験のある機関であれば、診察券も忘れずに。
・成長の記録
母子手帳以外に成長の記録をつけているもの(例えば日記や保育園・幼稚園の連絡帳など)があれば、一緒に持参するようにしましょう。
診察当日の子供の状態だけでは明確な診断がつけづらい時でも、日頃の様子が事細かにわかることで診断の助けとなる場合が多いです。
成長記録のつけ方とは?
・普段の生活で親が気になることをメモする
まずは、子供との生活で親が気になることがあればメモ書きするようにしましょう。
・何度も手を洗いたがる
・怪我を痛がる様子がない
・特定の音だけを異常に嫌がる
・親の語り質問をそのままおうむ返しすることが多い
・棒読みのような話し方をする
・昼寝をしない、夜の睡眠時間が短い
上記は発達障害の子供の特徴としてよく見られるものですが、これ以外にも普段の生活で気にかかるものがあれば細かく書き留めておくようにしましょう。
親からのどんな声かけにどう反応したかなど、親子のやりとりも明記しておくと良いでしょう。
・園や乳幼児健診で指摘されたことをメモする
保育園や幼稚園に通わせている場合は、先生との会話の中で子供の様子について指摘されたことを年月と一緒に記録するようにしましょう。
先生の所感も合わせて記しておくと良いでしょう。
また、定期的に行われている乳幼児健診は必ず受けるようにし、その際のテストの結果や医師・助産師からされたアドバイスを記しておくようにしましょう。
子供の発達障害を相談する場所は?
専門の医療機関を知らないという場合がほとんどでしょう。
その場合は、まず以下のような窓口でアドバイスをもらうようにしてください。
・市役所の福祉課・子育て支援課
・保険センター
・児童相談所
・自治体の子育て支援センター
場合によっては、保育園や幼稚園から専門機関を紹介してもらえる場合もあるので、通っている場合は先生に相談してみるのも方法です。
発達障害の子が通う幼児教室とは?
発達障害の子供であっても、適切なサポートを受ければ他の子と同じようにすくすくと育つことができます。
ここでは、発達障害のある乳幼児を療育する専門の教室をご紹介します。
ハビー ウェルビー株式会社
東京都に本社を構える福祉施設を運営する会社、ウェルビーが開設している教室です。
関東と関西に教室を構え、発達障害や発育の遅れが見られる子供の療育を行なっています。
発達障害と一言に言っても苦手なことは様々ですが、ハビーでは子供の特徴に合わせて個別にプログラムを提案することで、最適な指導を実現しています。
個別指導と集団指導の両方からアプローチしている点も特徴の1つと言えるでしょう。
「椅子に長時間座れなかった子が通わせているうちに落ち着いてプログラムに参加するようになり、感動した」「遅い時間や休日も教室が開かれているので、幼稚園と併用して通わせることができるので嬉しい」と言った親御さんの声が多く聞かれています。
コペルプラス
全国で幼児教室を展開しているコペルでは「コペルプラス」という発達障害の子供を専門に療育する教室を展開しています。
対象は未就学児で、子供が楽しみながら成長するを指導のコンセプトにしている点が大きな特徴です。
25年にわたる長い歴史や教材数が業界NO.1である点などが多くの保護者から評価されています。
発達障害の療育教室としては最大手にあたり、大手だからこそ知り得る知見や教育メソッドが信頼を得ているとも言えるでしょう。
さくらんぼ教室
関東を中心に教室が展開されています。
自分らしく生きるために学ぶを指導のコンセプトに、勉強や友達とのコミュニケーションが苦手な子供を対象に指導が進められています。対象年齢が幅広いことも特徴で、未就学児から社会人までを指導の対象としています。
最初はボランティアから始められたという創業ルーツからも伺えるように、暖かな教室の雰囲気が特徴的な教室です。
早期のアプローチで親子の不安を減らそう
「子供に障害があるのかも」と思いながら続ける育児は、親子にとってストレスの多いものとなります。
不安に感じることがあれば迷わず周囲の専門家に相談しましょう。
早期からの支援アプローチが子供のその後の成長に効果をもたらすこともあるので、早めに動くことが重要だと言えるでしょう。