子どもの成長はとても早く、特に乳児期と呼ばれる0歳児の時期は人が最も成長する期間であるとされています。
泣くことしかできなかった赤ちゃんが1年もすると立ち上がり、少しずつ話すこともできるようになりますね。
そんな成長を見ながら気になりだすのが、子どもへの教育についてではないでしょうか。
専門家の間でも少し前から「幼児教育」と言う言葉を使い、非常に注目度が高まっている分野です。
今回はそんな幼児教育について、はじめるべき時期やおすすめの内容についてご紹介します。
幼児教育はいつからはじめるべき?明確な答えはある?
幼児教育とは一般的に、乳児期を過ぎた1歳前後の子どもから小学校に入学する前までの幼児に対しておこなわれる教育をさします。
内容は様々で、世界の有名な教育者が考え出した教育法を使うものから、躾などの基本的な教育までを意味します。
そのため、幼児教育を何歳からはじめるべき、と言う明確な決まりはなく、生まれた頃から保護者を中心として自然とおこなわれているものと捉えるのがいいでしょう。
一方で、習い事など家庭外でおこなう教育のスタート時期については、保護者の教育方針に委ねられる部分が大きいです。
研究者の間でも専門的な幼児教育の開始時期については議論が様々で、早ければ早いほど効果が出ると言う専門家がいる一方で、焦るのはよくないと言う声もあります。
いずれにせよ重要なことは、保護者がしっかりと話し合い、子どもの様子を見て無理のない範囲ではじめることだと言えるでしょう。
様々な種類がある幼児教育のやり方
ここでは代表的な幼児教育の方法について、家庭内でできるものと家庭外でおこなうものに分けてご紹介します。
家庭内でできる幼児教育
まずは、家庭の中で保護者が中心となっておこなう幼児に向けた教育をご紹介します。
・通信教育教材
幼児教育熱の高まりを受け、教育系の企業が様々な幼児向け通信教材を販売しています。
いずれの教材も、遊びを通して生活習慣や語学を身につけさせるという特徴があります。
毎月送られてくる教材を利用して、保護者と一緒に幼児教育を進める方法です。
・オンライン
代表的なものには、オンライン英会話が挙げられます。
親のパソコンなどにカメラやマイクを取り付けて、運営会社が手配している英会話の先生と子どもが会話する仕組みです。
実際に通う教室よりも割安で受けられることが多く、マンツーマンでの指導となる点が魅力ですが、オンライン上のコミュニケーションのみとなるため、子どもの集中力が途切れやすくなることが課題と言えるでしょう。
・保護者が選んだ教材
こちらはほとんどの家庭が取り入れている方法です。
書店や幼児向け商材を扱うお店、最近ではネット通販を利用するなどして、絵本やDVDを保護者が適宜購入し、語りかけを通して幼児教育をおこないます。
玩具や工作道具を使うことでも幼児教育は進められます。
家庭外でおこなう幼児教育
続いては、家庭の外でおこなう幼児に向けた教育です。
多くの場合、専門的な教育をほどこす教室に通うことになります。
・幼児教育に特化した幼稚園
3歳ごろから幼稚園へ通うことが一般化している日本国内には、数え切れないほどの幼稚園が全国に存在しますが、その中には幼児教育に特化した園も含まれます。
専門的な幼児教育を受けさせたい場合には、幼稚園選びから始めるのもおすすめです。
中には、モンテッソーリ教育など世界的に名高い教育メソッドを実践している園や新しく国内で開発されたメソッドを取り入れている園もあります。
・知育系
文字の読み書きを習うことに加え、友達とルールを学びながら遊ぶことを指導する知育系の教室がこちらにあたります。
小学校受験に特化している教室もありますが、いずれの教室でも子どもの知能や社会性を身につけさせることを目的としているのが特徴です。
・語学教室
グローバル社会を背景に、現在急増しているのが語学系の教室です。
英語が中心となりますが、中国語やフランス語、スペイン語などの教室が存在します。
ネイティブの発音が可能な講師と一緒に歌ったり絵を描いたりすることを通して、語学力を育みます。
・スポーツ系
体操や水泳などが幼児期からのスポーツ系教室では人気があります。
球技などの専門性の高いスポーツは、まだ幼児期には難しことが多いため、それらのスポーツを上達させるための基礎的な運動能力の向上を目指す家庭が多いです。
また、丈夫で健康な体づくりや向上心を鍛えるために通っている家庭も見受けられます。
・音楽系
幼児期の頃に鍛えないと育たないと言われているのが、絶対音感。
貴重な時期を逃さないために、音楽系の教室に通わせる家庭は多いです。
最近では、リトミックという音に合わせて体を動かす幼児教育が人気。
また、ピアノやバイオリンなど楽器を使った教育は、3歳までに始めると手を痛めてしまう危険性があるという専門家もおり、おおむね6歳までに始めていればスムーズに習得が可能と言われています。
幼児教育をおこなう前に注意したいポイントとは?
最後に、幼児教育を始める前に知っておきたい注意点についてご紹介します。
子どもの負担を考える
幼児教育の全ては、将来の子どものことを考えて親が主体となって始めます。
将来を見据えられる親なら理解できることでも、子どもにとっては無理強いされていると感じることが多いもの。
また、親が考える未来が子どもにとってベストであるという保証はどこにもありません。
心がけたいことは、子どもの負担になっていないかを常に子の立場に立って考えるということ。
また、1人でおこなうと辛いことが多いことでも、保護者と一緒になって遊び感覚であれば楽しめることが多いです。
親子のスキンシップの時間と捉えることで、子どもの負担を軽減し、より効果の高い幼児教育を目指しましょう。
上達のレベルで一喜一憂しない
早期の教育であればあるほど、保護者の意見で始めていることが多い幼児教育。
大人の意見で始めた習い事の上達が遅いからといって一喜一憂するのはいただけません。
もちろん、子どもがチャレンジしたことが成功して、一緒に喜ぶことは成長への重要なポイントですが、失敗した時にも子どもの立場に立ち、次のチャレンジへと心が向くようなサポートを心がけるべきだと言えるでしょう。
幼児教育への過信は要注意
幼児教育の重要性が叫ばれて久しい日本ですが、過信するのは危す。
もちろん、小さい頃から習っていたことで、成長するにつれて大成する人はたくさんいますが、一方で、専門的な幼児教育を受けずに育った人が大成功する例も散見されます。
いずれにせよ重要なことは、子どもの様子を保護者がじっくりと観察し、その子にあった幼児教育を与えることです。
そして、真の意味での教育をほどこす心がけを忘れないことです。
どれだけ英語が流暢に話せても、英語を使って自分の意思を表したり、人とコミュニケーションが図れないと意味がないように、幼児教育にとらわれすぎることなく、生きる力を与えることを忘れずにいたいものです。
幼児教育のスタートは、子どもをよく観察して進める
乳児期の卒業を間近に控えると、幼児教育のスタート時期が気になりますが、まずは焦らずに、子どもの個性をしっかりと観察してみましょう。育児の答えを子どもが教えてくれることはよくあります。
保護者の考えだけにとらわれず、のびのびとした育児を続けたいですね。