難関から一般的な私立まで、幼稚園を受験するという家庭が増加傾向にあります。
子供や家庭のどんなことを見られるのか?準備は何が必要か?初めての受験の場合は不安に感じることが多いでしょう。
今回は、そんな幼稚園受験について、特に入念な準備が必要だと言われる難関校にスポットを当ててご紹介します。
幼稚園受験とは?
現在の日本では、4歳になる子供たちは全て幼稚園に入園できることになっていますが、親が公立ではできない特殊な幼児教育を望んだり、家から近い幼稚園が私立であった場合などでは、各幼稚園が用意している独自の受験に合格し私立幼稚園に入園することがあります。
平成22年に発表された文部科学省による学校数の発表では、全国の幼稚園利用者約160.5万人のうち、私立幼稚園に通っている子供は約60.9万人、国公立の幼稚園に通う子供は30万人(うち6千人が国立幼稚園)という結果が出ています。
実に、幼稚園に通う子供の8割程度が私立に通っている計算になるわけです。
私立幼稚園の中にも様々なものがあり、ペーパー受験や実技試験、それに親子それぞれへの面談を設けているいわゆる“お受験”が必要な難関校から、願書を出せば受験は必要としない一般的な私立幼稚園があります。
基本的には、首都圏に多く集まる有名大学の附属幼稚園では前者のような受験が必要となり、地方部では願書を募集して、定員以上の希望があった場合には抽選がされるという幼稚園がほとんどであるのが現状です。
また、最近では地方でも入園のための簡易な受験や親子への面談を実施している幼稚園が増えてきている傾向にあります。
ここでは、難関校が出題することの多い受験項目について見ていきましょう。
・知能を見るもの(パズルやお話の記憶チェックなど)
・絵画(テーマが与えられる場合と自由画の場合がある)
・行動観察(集団遊びや先生との遊び、稀に親子遊びなど)
・生活習慣(あいさつやお片付けなど)
面接では、親だけで・親子で・子供だけでと、いろいろなパターンが用意されています。
専門家の中には「幼稚園受験は親の受験」と語る人がいるほど、面接による親へのチェックを重視している幼稚園は多いです。
保護者が主に聞かれることは以下の通り。
・家庭での教育方針について
・しつけについて
・普段の生活について
・家族の趣味
・幼稚園に希望すること
他にも、兄弟姉妹との関わり方や親の仕事、願書への突っ込んだ質問などを問われることもあります。
幼稚園受験までのスケジュール
幼稚園受験の準備は、生まれた時から始まると考える保護者は多いです。
最近では、幼児教育熱の高まりを受け、0歳から利用可能な幼児教室も増えており、より入念な受験準備を心がける家庭では受験年度を待たずして幼児教室などを利用し準備を始めている家庭が目立ちます。
ここでは、幼稚園受験の準備年度である子供が4歳の誕生日を迎える年の1年のスケジュールを確認していきます。
幼稚園の中には3歳クラスから受け入れをおこない、2歳児を対象とした受験を実施している場合もあるので、その場合は年度を1年はやめてお考えください。
5〜6月もしくは9〜10月
幼稚園説明会
梅雨の季節と秋におこなわれるのが幼稚園での説明会です。
1度目は施設の見学を兼ねた紹介であることが多く、入園試験についての説明などの踏み込んだ内容になっているのは、秋の説明会であることが多いです。
秋の説明会では願書の配布がおこなわれるところも多く、説明会への参加が必須の受験条件とされている幼稚園もあります。
幼稚園受験に力を入れている家庭では、より多くの園から正確な情報を入手するために、前年度の説明会に参加するという保護者もみられます。
この場合、前年度の説明会でたくさんの幼稚園を回り、受験したい幼稚園をいくつかに絞ってから受験年度の説明会へ参加するという利用方法もできるでしょう。
5月ごろから順次
幼稚園見学・行事参加
幼稚園の中には、一般に公開されている行事や未就園児に向けたイベントを開催しているところもあります。
通常の幼稚園の様子や先生の雰囲気、園長先生との気軽な面談ができるところもあるので、受験を希望する園があれば必ず足を運んでみましょう。
エスカレーター式に進む上級の学校がある場合には、保護者が参加可能なイベントが開催されているタイミングを見て、小中高のイベ
ントを覗いておくと、子供の将来がイメージしやすくなるのでおすすめです。
学校の中には部外者の参加が厳しく禁じられているところも多いので、事前に相談するなどの配慮が必要な場合もあるので覚えておいてください。
7月ごろから順次
願書作成・面接準備
受験年度の夏になると、本格的な受験準備を開始する必要があります。
まずは願書の作成です。願書には志望動機や教育方針を記入する欄が設けられていることもあるので、記入前に内容をまとめておく必要があります。
同時に、似た内容を面接で聞かれることが推測されるため、面接準備を進めておくと効率的でしょう。
秋頃からは幼児教室や先輩ママの力を借りるなどして面接練習を開始しなければいけません。子供が入試に課された項目をできたか否か以上に、保護者が子供をどんな風に育てたいか?どんな人なのか?を重視する幼稚園が多いのが実情です。
幼稚園受験の準備期間を好機と捉え、パートナーと子供の教育や育児、家庭のこれからについてしっかりと話し合ってみましょう。
また、直前になって焦ることのないように、服装や当日の持ち物、身だしなみについてもパートナーに共有しておく必要があります。
買い揃えないといけないものは、品薄になる受験シーズンではなく、この時期に揃えておくと安心です。
9月ごろ
出願日
受験のためには必ず、事前に設けられている願書受付の締め切り日までに願書を提出しておく必要があります。
幼稚園に持っていくことが可能な場合もありますが、郵送でのみ受け付けているところもあるので注意しましょう。
特に、郵送の場合は万が一のトラブルを避けるために締め切り直前に提出するのではなく、余裕を持って投函する必要があります。
10月ごろ
試験日
10月ごろに試験日を設定している幼稚園が多いですが、必ず受験を希望する園の情報をチェックしましょう。
個別で試験日時が連絡される場合もあるので、この時期にはポストや電話のチェックをいつも以上にこまめに心がける必要があります。
11月ごろ
合格発表
幼稚園受験の合格発表は意外に早く、試験を終えてから1ヶ月も経たないうちに結果がわかることがほとんどです。
合格した場合には、制服の採寸や健康診断など、幼稚園に通う機会は増えるので、入園までもスケジュールに余裕を持っておく必要があります。
幼児教室や先輩ママにお世話になった人は、合否の結果を問わずにお礼するなど、心配りも忘れてはいけません。
当日バタバタしないための準備リスト
最後に、受験間際にバタバタしなくて済むように、子供と保護者の受験に必要なアイテムを必要度と合わせてリスト化してご紹介します。
必ず必要なもの:★★★
あると安心なもの:★★
用意できればでいいもの:★
子供
・受験用の正装:★★★
・正装に合わせた靴(外用):★★★
・正装に合わせた上履き:★★★
・ハンカチ・ティッシュ:★★★
・ティッシュケース:★★
・雨具:★
保護者
・メモノート:★★★
・スーツ(濃紺):★★★
・パンプス(黒):★★★
・大きめのバッグ(濃紺):★★★
・ハンドバッグ(濃い色の革のもの):★★★
・スリッパ・スリッパケース:★★★
・ハンカチ・ティッシュ:★★★
・雨具:★★
・絆創膏(靴擦れしやすいため):★★
幼稚園受験は、親の受験と心得る
幼稚園受験に向けて、特別な準備が必要なのは子供よりもむしろ親の方と心得えましょう。
専門家の中には子供を幼児教室へ通わせるのは早くても受験の1年前と言う人もいます。
家庭の教育方針や将来のことをみつめ直したり、正しく入園準備を進めたりと、保護者の入念な準備が合否を左右すると言えるでしょう。