[限定特典]賢い子を育てるコツ~対談音声・瀧靖之✕大坪信之~

こちらは、幼児教育専門マガジン『ギフテッド・フォレスト』のお申し込み特典です。一般公開されていない会員限定の対談音声です。ぜひ、お子さまの教育などにご活用くださいませ。

対談音声

下の動画をクリックすると、再生されます。なお、こちらは「音声のみ」の配信ですのでご注意くださいませ。

 

瀧 靖之(たき やすゆき)プロフィール

東北大学加齢医学研究所教授。医師。医学博士。1970年生まれ。1児の父。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。『16万人の脳画像をみてきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は、10万部を突破するベストセラー。最新の脳研究をふまえた「科学的な子育て法」を提案。

大坪 信之(おおつぼ のぶゆき)プロフィール

株式会社 コペル 代表取締役。福岡大学人間関係論非常勤講師。一般社団法人徳育学会会長。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー。2児の父。1963年福岡県生まれ。大学卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社にてシステム開発や営業業務に従事する。自身の子育て中の経験から幼児教育に興味を持ち、1994年に徳育教室(現コペル)を設立。幼児教室コペルの運営を通じて、子どもの心の教育を志し、様々な研究に取組んでいる。全国各地で子育てセミナーや子どもの潜在能力を引き出すための講演活動なども多数実施。

 

 

音声文字起こしレポート

大坪氏最近(2019年1月時点)、子ども達が就職する頃には、存在していない職業が65%に及ぶという話を聞きます。これは、これから社会の求める人間像が変わることを意味し、それに伴いAIやロボットが発達し、今は人間がしている仕事がどんどん機械になっていくということかと思われます。

瀧教授は、このような時代に、お子さんを育てる親たちが、どのようなことに気を付けて教育をしたら良いとお考えでしょうか?

一番大切なことは「知的好奇心をいかに伸ばすか?」

瀧教授:私は、あくまでも研究者という立場、あるいは1児の父という立場から考えても、おっしゃるような未来の予測が非常に難しいのが現状かと思います。将来、存在しない仕事があるという可能性は否めません。
実際に、自分自身が子どもの頃に戻って、今の世界を見ても、全く予測ができなかったことがたくさんあると思います。しかも、今はその変化のスピードが、更に加速していると思います。

それをふまえると、「将来これが主流になるから、これをやっておくべきだ」という考え方ではなく、もう少し「柔軟性を持ち合わせた考え方」が必要になってくるのではないかと考えます。

研究者の立場から言いますと、それは「知的好奇心」に尽きると考えています。今で言えば、例えば、プログラミングが大切だからが、プログラミングをやりましょうということを否定するわけではないのですが、もっと幅広く興味をもつ、その根幹である「知的好奇心」が重要だと考えています。

よって、将来がいかなる時代になっても生きていくのに一番大切なことを、私は「知的好奇心をいかに伸ばすか?」だと考えています。

大坪氏はい、私も「知的好奇心をいかに伸ばすか?」が重要であることは、間違いないと思います。プログラミング言語を覚えようと言っても、その子たちが就職する頃には、もう言葉でプログラムを生成しているような、そのような時代になっているのではないかと思います。

プログラミング言語を覚える必要なはく「どのようなものをプログラミングするか?」という考え方のほうが重要だと考えます。今まで教育というのは論理的なものが中心ですが、そこには、もっと感性みたいなものが必要になるかもしれません。

中でも重要なのは「非認知能力」を磨くこと

瀧教授:そうですね。その教育について、これから非常に重要になってくるであろう事の1つが、今は「非認知能力」と言われています。非認知能力とは、共感性やコミュニケーションを創造するような、クリエイティビティの能力です。作り出すことや考えることなど、創造することです。一般的には、数値で評価しにくい能力として言われています。このような部分が重要ではないかと、私も考えています。

大坪氏コンピューターやAIは、みんなで共同して何かを行うのは難しいので、人間しかできない強みは、そういった部分になりますよね。

瀧教授:やはり、それが人たる所以だと思います。共感性やコミュニケーションスキルというものは特に。

大坪氏言い換えると、それは関係性を作る能力と言えるでしょうか?

瀧教授:そうですね。もちろん非認知能力だけでなく、考えたり判断したり記憶したり、このような認知能力は当然必要だと思います。だから、その点は今まで通りというかこれまでの教育と同じように重要だと思います。つまり、そこに合わせていかなる環境にあってもしなやかに対応していくには「非認知能力」が、非常に重要かなと私は考えています。

大坪氏確かに、今までは早く正確にたどり着ける能力を持ち合わせる人が、社会の求める人間像でした。しかし、これからの時代は、正確性という点では、もうコンピューターやロボットより早く正確にたどり着ける人はいないのではないかと思います。それを考慮すると、これからの時代は、人間にしかできないことが、これから人間の仕事になっていくのでしょう。

瀧教授:私も本当にそう思います。

大坪氏ですから、私たち親は、これからのゴールが見えない中で、どのような教育を子どもたちにしていけば良いか?という難しさがあるのではないかと感じます。

瀧教授:その点は、私も感じます。今までより、変化するスピードが非常に早くなってきています。私たち人間が扱う情報量は、以前と比べると指数関数的に増えてきています。私たちが1日のうちに処理する情報量、もう我々が処理しきれないぐらいの情報が既にあるとも聞きます。

大坪氏そうですよね。以前は、データなどの情報をたくさん知っている人を、能力があると評価していたと感じます。しかし、今は、インターネットなどで調べればいくらでも出てきます。だから、ここからは、そのデータをどのように活かすか?そのように組み合わせるか?など、そのようなことが重要なのではないでしょうか。

瀧教授:そうですね。私も、それには大賛成です。以前は、暗記などが重視されていました。ですが、これからはAIなどに任せられることは任せて、私たちはAIから出てきたものから「何をつくりだすか」が重要だと考えます。

まさに、それが先ほどの「非認知能力」などのクリエイティビティです。そのような能力を磨くのは、将来がどのようになろうとも重要なところではないでしょうか。

「この絵を見て、物語を完結させなさい」という小論文問題

大坪氏AIやロボットは、1から100にする事はできますが、0から1を作る方が難しいですよね。

瀧教授:本当にそう思います。その通りだと思います。

大坪氏しかしながら、現状の教育を見ると「0から1をつくる」教育が十分にできていないのは否めないのではないでしょうか。

瀧教授:たしかに、そのような視点はあるかもしれません。もちろん、これまで通り、形にはまったものを学ぶのも重要だと思います。それをベースに、新しいものをつくり出すことが、これから更に重要になってくるのかもしれません。

大坪氏そうですね。今年(2019年度)、某大学の小論文入試に、これまでの傾向とは違った変わった問題が出たと耳にしました。問題には、絵が1枚あり、そこにはカーペットがモコっと盛り上がり、男の人が指をさしていたようです。そして、その問題は、「この絵を見て、物語を完結させなさい」というものだったようです。

瀧教授:それは。本当にイマジネーションであるクリエイティビティですね。

大坪氏これからのテストがこうなっていけば、それに対する学校の勉強も変わってくるでしょう。いい時代になってきたなと、私は考えています

瀧教授:受験生はびっくりしますよね。しかし、その一方で、おそらく100人に数人はラッキーと思って、そういうのが得意な子もいるのでしょうね。

大坪氏はい。しかし、それがこれから求められる必要な能力だと私は考えています。

瀧教授:確かに、そうかもしれないですね。

大坪氏どうやら、最近の就職試験でも変わった問題が出るようですね。確か「日本にピアノの調律師は何人いますかとか」のような問題だったと記憶しています。もちろん、これは記憶を問う問題ではなく、日本には何家庭あり、何家庭に1台ピアノがあり、調律までしている家庭がその内何%とか、それがどのぐらいの頻度でなど計算して。1日に1回か2回しかできないだろうと。それで何人だと計算するというのです。

瀧教授:それは難しいですね。私も解けないです。

大坪氏しかし、この桁が1つも2つも間違えるような人はやはりダメだというのです。

瀧教授:その発想といいますか、その考え方が重要だということですね。自ら筋道を立てて、色々ことを考慮して答えを出す。それは面白い問いですね。

大坪氏つまり、AIが進んでも、そういった発想はAIには難しいと、現時点では考えられていることが背景のようです。

瀧教授:たしかにAIがどこまでどう進むかというのは、まだ予測が難しい段階です。現時点ではそうかもしれません。

大坪氏もちろん、AIにも得意な分野はあると思います。例えば、アメリカの資料作成している弁護士は、AIに仕事を奪われたと聞きます。どうやら、AIで作成した資料のほうが、勝ち負けを争う場面での勝率が良いようです。

瀧教授:それは人の能力の分岐点と示す、一つの例とも考えられますね。

大坪氏はい。今は、将棋でさえAIに勝てなくなりましたからね。

瀧教授:実際に使うかは別の話になりますが、例えば、私たちの医者の診断もで、血液、性格、初見、年齢、性別などの多くの情報を入れていくと、コンピューターから、かなり的確なものが出てきます。今は、その診断をするのは当然医者ですので、それらはサポートする機械という認識です。しかし、それが変わってしまう可能性もないとは言い切れないかもしれません。

大坪氏そうですよね。手術をするロボットもいるという話を聞ききました。

瀧教授:あります。ダヴィンチです。

「知的好奇心を育てる」方法

大坪氏AIの出現によって、様々な分野で、このようなことが起きてきますよね。そういう意味では、これからの教育で根幹となる「知的好奇心を育てる」には、どのような教育をすると良いのでしょうか?

瀧教授:決して簡単ではないと思うのですが、研究や教育と関わる方とディスカッションをする中で、「知的好奇心を育てる方法」は、あるのではないかと思います。そのベースとして、当然ながらある程度の知識は必要だと思われます。できれば、2~4歳から、図鑑を読むのが良いと考えます。

図鑑は、世の中のことがコンパクトにまとまっています。種類も豊富で、恐竜、宇宙から植物、昆虫、海の生き物など、たくさんあります。そのような豊富な内容が、コンパクトに体系立ててまとまっているのが図鑑なので、私は素晴らしいものだと考えています。

大坪氏たしかに、もう恐竜と実際に接する機会はないですが、図鑑では接することができますから良いですね。

瀧教授:ただし、それには注意点もあります。それは図鑑を買って終わりではないということです。図鑑を買うことは、はじめの一歩として重要ですが、そこで終わらせるのではなく、その先がとても重要です。

子どもたちに図鑑を買って、その図鑑を子どもが読む。そこまでは、それで良いのですが、その先に、子どもが何かに興味を持ちます。恐竜、蝶、花に興味を持ちます。そうしたら、できるだけ早いタイミングで、親御さんは、その興味を持ったものの実物を見せに連れていきましょう。これが非常に大切だと考えます。

大坪氏実物を見たら、お子さんは感動しますよね。

瀧教授:そうですね。仮に、それがティラノサウルスであれば、実物は難しいですが、博物館に化石があります。蝶や花、魚などであれば、野山や水族館で見ることができます。そのように見ていくことで、子どもたちは、世の中の奥深さを理解していくので、それがとても大切だと考えています。

そして、もうひとつ大切なのは、子どものお手本は親であることです。ここも、とても大切です。図鑑を子どもに買い与えて、自分はスマートフォンやテレビを見てては、お手本になりません。

だから、親が自ら図鑑を見ていくことが重要です。そうすると、お子さんも自然に図鑑に興味を持ち始めます。ちなみに、今の図鑑は格段に面白いです。DVDが付いているものもあります。前は、ダイオウイカは想像上だったものが、DVDなどで見られます。他にも、火星の表面は、これまで想像の絵でしかなかったのが、今は科学の進歩で実物に近い状態のものを図鑑で見ることができます。だから、大人が見ても、今の図鑑は面白いです。

親子で図鑑を見るだけでも面白いので、その実物を見に行こうとなれば、お子さんはより世の中のことに興味がわいてくるでしょう。

大坪氏つまり、そのようにして「好き」の気持ちを育んでいくということでしょうか。

瀧教授:はい、おもしろい、不思議だ、なんでだろうと、好きや興味を育むには、このような方法が有効だと考えています。だから、子ども任せにするのではなく、親こそが面白いと興味を持つことが重要でしょう。それこそ、子どもの手を引っ張って、科学館に行こう!と連れて行くのが、ちょうど良いくらいかもしれません。

大坪氏私たちも幼児教育をする中で「瞳孔が開く」のをポイントとしてます。人間は、面白いと思うと、物理的には瞳孔が30%開き、目が輝くようです。だから、私たちは、目が輝き続けるようなレッスンをすることに基準をおいています。

ただし、お子さんの集中力は「年齢+1分間」しか維持できないので、次々に新しいものを出すことで、目が輝き続けるように展開しています。

瀧教授:お子さんは、やはり、面白い、不思議があることで、興味がわき、なんでだろう?と見続けるのかもしれませんね。

大坪氏そうですね。だから、その気持を失わせないようにすることをポイントに幼児教育をしています。

さかなクンのお母さんの教育法

大坪氏私1番素晴らしいと思ったのは、さかなクンのお母さんの教育です。彼は小さい頃、ゴミ収集車がクルクル回るのが好きだったようです。そして、それを見たいと言ったので、お母さんは、ゴミ収集車の後ろを一緒に付いて回ったようです。彼も飽きずに見続けるので、お母さんは、それにずっと付き添ったようなのです。

他にも魚屋さんでタコを「これは何だ?」といったので、お母さん毎日タコ料理を作ったといいます。それから水族館にタコを見に行って、そこで色々な魚と出会い、今のさかなクンになったようです。これが理想的な教育だと、私は感じました。

瀧教授:まさに個性を伸ばしていますおね。さかなクンの持たれている素晴らしい個性お母さんが見抜いて、その個性を伸ばしてあげる。結果として今さかなクンも素晴らしいお立場になられて、世の中にいろんな子どもたちに刺激を与えて。理想的です。

大坪氏本当にそうですよね。一歩間違えるとお母さんが「ゴミ収集車なんかダメよ」と言ってしまいそうです。でも、そう言ってしむと、子どもの目は輝きません。だからこそ、さかなクンの目の輝きは、お母さんのおかげだと思うのです。

瀧教授:そうですね。私もタコの話は、何かで聞いていたのですが、その手前にゴミ収集車の話があると聞いて驚きました。タコの話より以前からそうしていたのですね。素晴らしいです。

大坪氏子どもが好きと思ったことに対して、まるで寝食を忘れて何かをやるように追及させてあげられると良いと思います。

本は自分の力を伸ばしてくれる素晴らしいツール

瀧教授:そうですね。本当にそう思います。私もこのように教育に関わるような研究をしている立場として、理屈でも本当に理解できます。

私も息子が今6歳なのですが、本が大好きですごく本を読みます。図鑑から始まり、講談社、学研など色々なものをそろえて、恐竜なら3~4種類の図鑑を読んでいました。そして、だんだんと歴史関係の漫画や、子ども用の文字だけの本などを読むようになっています。今は、何時間も集中して読んでいます。

でも、私もそれが没頭していて良いことだとは分かっているのですが、学校へ行く時間や寝る時間を守れなくて怒ってしまうことがあります。だから、さかなクンのお母さんの話を聞くと、自分もそうしなければと思ってしまいますね。

大坪氏ですが、その本好きは最も素晴らしいですよね。

瀧教授:はい、本は好奇心を伸ばす意味では最も良いですよね。

大坪氏「本読みなさい」というよりも、「本が好きになる」と、夜中に隠れてトイレで本読んでいますからね。

瀧教授:そうなのです。私自身、図鑑は好きだったのですが、小説のような本を、実は大学になるまで全然読んでいなくて、むしろ大学から自分はなぜこの日本の名作というものを読んでこなかったのだろうと思い立って、それからすごく本が好きになりました。

そういった意味では、息子はそのような部分を私よりはるか先に行っています。本を読みながら移動してしまうこともあるくらいです。それまで騒いでいても、本を与えると、じっと読み続けています。

ただ、没頭して時間を忘れるなどしてしまうと、私も忍耐強く見ることができなくなり怒ってしまいます。難しいですね。

大坪氏そうですね。しかし、私は本好き以上の身に付けるべきものはないとも考えています。

瀧教授:はい、本は良いですよね。私たち大人にとっても大切です。やはり、本は自分の力を伸ばしてくれる素晴らしいツールだと思っています。

大坪氏勉強は、18歳の大学入試で終わるわけではないですからね。その後もずっと死ぬまで勉強です。

瀧教授:人生100年時代が、まさにそうかもしれませんね。あれを聞いたとき、すごく面白いと思いました。やはり、今の時代は、変化のスピードが早いです。それを考えると、例えば大学時代に勉強したことがどこまでもつかというと…以前であればそのときの勉強が定年のときまで活かせたと思います。しかし、今はそこまで活かすことができません。勉強した内容が、今の時代では、何十年後かに変化してしまうので。

だから、これからは大人も、大学時代に勉強したことを30~40代まで活かして、また次の年代になるときに別の勉強をして、ということを何度も繰り返すのが必要なのではないでしょうか。そう考えると「好奇心」が何歳になっても必要でしょう。

大坪氏勉強は、終わりがないですからね。そういえば、50年前の百科事典の内容は、半分以上間違えていたようですね。それくらい、新しい発見が進んでいるようです。だから、50年前の知識が、今に使えるとは限らないということが、ここからも分かります。

成績に相関関係のあるものとは?

大坪氏瀧教授から見て、親御さんたちが、お子さんにできる教育とは何かを、改めてお聞かせいただけますか?

瀧教授:繰り返しになり恐縮ですが、子どもたちの「好奇心」をいかに伸ばすかが必要な教育かと考えます。ただし、もっと重要なことは、それを子ども任せにしないということです。

やはり、私たち大人が色々なことを楽しみ、色々なことに興味を持つ。そして、そのような姿を子どもたちに見せ、子どもたちと一緒に行う。これこそが、お子さんの教育で大切なのかなと感じます。

教育とは、高校生になって高いお金払って塾に入れることではなくて、子どもの頃に、いかに豊かな体験をさせてあげられるか、そして、それを親子で共有できるかだと考えます。それが、教育の本質ではないでしょうか。

大坪氏成績に相関関係があるものは何かを調べた朝日新聞の調査がありました。そうしたところ、魚を捕った経験があることや、満天の星空を見たことがあることなど、そういったことの相関性が高かったようです。

瀧教授:おもしろいですね。まさに好奇心ですね。私も何に相関性があるのか考えました。図鑑かな?親子の体験かな?とか色々考えてしまいました。答えを伺うと、普段の生活ではあまりやらないことですが、興味を持っている親御さんが、意識的にそのような体験をお子さんに用意している印象を受けました。おそらく、魚や星の話は一つで、他にも色々とお子さんにしているのでしょう。面白いですね。

大坪氏そのような経験をしているときの、お子さんはきっと目が輝いているでしょう。目が輝いているとき、人間は体のぶどう糖の40%消費するといいます。これは、全力疾走している筋力よりも消費しているのです。だから、これが1時間続くと、箱根駅伝を走ったようなものですね。それくらい輝けるということでしょう。

それは本当にお子さんの弱み?

瀧教授:良いですね。それは心身共に良いですね。子どもたちには本当に無限の可能性があると考えます。

大坪氏はい、本当に無限の可能性です。

瀧教授:一人ひとりが、それぞれの個性を持ち、それぞれの可能性がある。それを伸ばすことができる教育は、本当に素晴らしいものです。

大坪氏これからは、更にそのような個を活かすダイバーシティが盛んな時代になってきていますよね。そういう意味では、先が楽しみです。

瀧教授:画一的なものから、個性を伸ばすことに移行すれば、本当に良いですね。

大坪氏大量生産ベルトコンベア型の時代のままであれば、画一的で良かったですけどね。

瀧教授:そうですね。一人ひとり様々な個性があるので、その個性に合う教育ができると良いですね。

大坪氏そういう意味では、東京大学がロケットプロジェクトというのを始めましたよね。これは異能発掘プロジェクトと言われ、登校拒否になっているような子どもの中に異能が眠っているといって、それを発掘することを目的としています。

例えば、何か一つのことだけに興味があるお子さんでしょうか。私は宇宙のことしか興味がないので、学校は面白くありません。だから行きませんというお子さんが対象のようですね。

もし、そのようなお子さんがいれば、その子たちに東京大学の宇宙の先生が教えるようです。あれはいいですよね。素晴らしいですよね。

瀧教授:そうですね。今は、すごい倍率になっているようです。

大坪氏そのようですね。なかなか入れないようなので、選ばれた人が入るような世界になっていますよね。

瀧教授:おもしろいですよね。あれこそ個性ですよね。

大坪氏まさに、そのような個性的な子どもたちの中に、将来のノーベル候補が隠れているのではないでしょうか。

瀧教授:そうですね。もちろん個性的でないといけないというわけではないのですが、そのような個性は、大きな強みでもあると思います。適材適所のところに行けば、その大きな強みを発揮し、そのような可能性を秘めていると感じます。

大坪氏そうですよね。幼児教育の現場では、保護者の方から大人からするとお子さんの弱みに見える相談を受けたときは「そこにはお子さんの強みが隠れていますよ」と、よくお伝えします。その弱みは、反対に見れば強みであり、その子の個性と言えるでしょう。

瀧教授:親としての立場とすると、私も講演で、そういうことを言いながらも、なかなかできないのですよね。本に集中するのは良いことなのですが、その裏返しは、他のことはダラダラとしてしまって…本当に難しいところです。もちろん、他のことがダラダラは、何かに大変集中することではありますが。

大坪氏これまでは、すべきことが100個存在したら、100個にまんべんなくオールマイティにできる人が良いと評価された時代だったと思います。それが、変わってきていると感じます。

その例え話として「動物学校」というものがあります。これは面白いです。立派な動物を育成しようと、学校を作りました。そこでは様々な科目を動物に教えます。

アヒルは水泳が上手でしたが、かけっこの点数が悪いということで、水泳ではなく走る訓練をさせられました。その結果、水かきがすり減り、水泳も点数が悪くなりました。ウサギはかけっこが速かったけれど、水泳の点数が悪いということで、かけっこではなく水泳の訓練をさせられました。その結果、ノイローゼになりました。タカは、木登りの科目で、違う登り方をするので「ちゃんと足を使って登りなさい」と言われ、グレてしまいました。最終的に、首席で卒業したのは、どの分野も「可もなく不可もなし」の動物だったという話です。

私は、これが従来の問題であり、それが変わったと実感しています。アヒルは水泳を伸ばし、ウサギは走ることを伸ばし、タカは飛ぶことを伸ばすように、それぞれの個性を伸ばすことに注力したほうが良いと考えています。まさに、多様性を活かす環境です。

瀧教授:本当にそうですね。自分の得意分野、個性、特技、そういう得意分野というものを更に伸ばす教育は、将来花開く可能性を秘めているかもしれないです。

大坪氏嫌がる子どもに無理矢理やらせることや、このゴミ収集車は意味がないと親が決めてしまうのではなく、お子さんの目が輝くのであれば、一緒に出かけることが必要ではないかと考えます。

瀧教授:子どもたちは、きっと頭の中でいろんな事を考えているのです。仕組みや、そういう動きをする美しさみたいな、大人の私たちには気が付かないようなところがあるのです。気が付いているのです。

大坪氏まさにそうですよね。子どもの頃の感性みたいなものは、そのときに形成されていくでしょうからね。

瀧教授:そうかもしれないですね。

好きなことが「スキルを伸ばすコツ」になる

大坪氏それに関連したところで言うと、日本刀の鑑定士が、大人になって日本刀の鑑定士になるのは難しいようですね。た赤ちゃんの頃から「これはいい刀、これは悪い刀」と見せ続けるようです。そして、3歳児ぐらいになったら、「これは、どっち?」と言うと、「これはいい刀」などと判別がつくようです。そこは、理屈ではなく感性のようですね。

瀧教授:面白いですね。おそらく、相当色々なことが頭の中にインプットされているのでしょう。確かに、子どもの頃のそういったことは非常に大切ですよね。

私の場合は、蝶が好きなので、蝶を見ていると、そのうち時期で飛ぶ種類や場所が分かるようになってきました。そういう経験って面白いですよね。子どもの頃に無理やりやらず、自然にそのようなことができると、能力が養えますよね。ただ、私の蝶の場合、役に立つかは分かりませんが…

大坪氏いえいえ、そういう一見役に立たないように見えるものこそ、本当の価値がありますよね。

瀧教授:そうですね。そういうことには「スキルを伸ばすコツ」のようなものが含まれていて、それが習得できます。私の場合であれば、飛んでいる蝶を見て「これは◯◯という蝶だ」と判断するには、自分の中でトライ・アンド・エラーを繰り返しながら、調べたり、図鑑を見たり、人に聞いたりしていきます。

それが実は、他の分野のスポーツや趣味、勉強につながると考えます。だから、蝶のことは、私にとって勉強そのものでした。

きっと、先ほどの刀の話も、そうなのではないかと思います。そのようなスキルが身につけば、関連性がないように見えても、勉強のやり方を習得できるのです。

大坪氏それに関連したところで言うと、そのIBMでは、研究員は1年のうち3ヶ月全然コンピューターと関係ない事を研究しないといけない制度があるようです。だから、まさに蝶を研究する人ともいるようです。これは何の事かなと思っていましたけど、こういったことに関連してくるのですね。

瀧教授:きっと、そうですよ。自分がやっていること以外のことを見ると、様々なことが見えてくるものです。そして、再び自分の分野に戻ると、新たな問題点が見えてきて、それが次につながりますよね。

だから、今のIBMの話や、その考え方は非常に面白いです。おそらく、結果的には研究員の皆さんのスキルアップにつながっているのではないでしょうか。また、単純に仕事に良い影響があるだけでなく、ご自身の趣味や人生にもつながるような気がします。

脳の発達と親子関係の関連性は?

大坪氏話は変わりますが、教育の中でも、心の状態みたいなのも重要な観点だと思います。子どもの心を育てるために親の接し方のポイントとして、どのようなものがあるでしょうか?

瀧教授:研究でよくいわれることは、極めて当たり前なのですけど、例えば虐待というのはよくないとされています。やはり厳しくすることは、結果的に心や体や脳の発達を抑えるわけです。そして、虐待の中でも特に良くないといわれているものが、ネグレクトだとされています。

怒ることは、コミュニケーションが成り立っているせいか、子どもは怒られてもやっぱり親と気持ちが通じ合っていると考えられます。それが、ネグレクトとなってくると状況が変わってきます。

私たち研究で、「親子関係が良好だったら脳が発達するのか」という研究をしたことがあります。その結果は、やはり「親子関係が良好なときは、脳の色々な領域の発達が促進している」ことが分かりました。

やはり良好な親子関係が必要なのでしょう。もちろん、良好というのは、怒らないなどということではありません。コミュニケーションが成り立っている状態だと、私は考えます。

怒るときは怒る、褒めるときは褒める。こういったコミュニケーションを、お子さんとしっかり取ることが必要なのでしょう。だから、子どもたちには勉強させて、親はスマートフォンをいじりながら話したりするのは、親子のコミュニケーションが良好ではなくなってしまいますよね。

大坪氏それは重要ですね。たしかワシントン大学で、冷たいお母さんと優しいお母さんの脳の発達の調査結果があります。そこでも、倍くらい結果が変わっていた記憶があります。

たしかにマザーテレサ氏が「愛の反対は無関心だ」と言っていましたよね。「憎しみでさえ愛の一種だ」といって。

瀧教授:そこは本質ですね。先ほどの研究結果も示しています。やはり、このネグレクトは良くないと考えられます。

大坪氏やはり、心の状態は、子どもの頃に完成しますからね。重要です。親の影響が80%といいます。

瀧教授:そうですね。私たちが、まだ論文に発表していないデータに、子どもの伸びる時期に何があるかを調べたところ「厳しさもある、でも優しさもある」ということが現段階では、可能性として見えてきました。総じていう「愛情」なのかもしれません。

大坪氏そうですよね。愛情は真剣に考えていることですからね。

瀧教授:だからこそ怒るわけですし、厳しいことを言うわけです。しかし、その一方で、何かを達成したときは、その過程や努力をしっかりと認め、褒めることが必要だと感じます。だから、それを考えると、親子関係はコミュニケーションの量が大切とも言えるかもしれません。

もっと言えば、親が子どもに、どれくらい関心を持てるかなのでしょう。結局私たちの脳医学の世界から見ても、当たり前ことを当たり前にすることが重要だと考えます。例えば。たくさん寝る、たくさんご飯食べる、運動するなど、当たり前のことを当たり前にいかにやるかが重要だなと思います。

大坪氏人間も動物の一種ですからね。

瀧教授:そうですね。人はコミュニケーションをする生き物ですから。やはり、しっかりたくさんコミュニケーションを取ることが重要だということでしょう。

大坪氏そうですね。それは根源的欲求ですよね。独房は、どんな人間嫌いな人でも2週間耐えきれないと言いますしね。

瀧教授:なるほど。私は1時間で嫌ですね。

大坪氏そういう奥深いとこに、共通の何か美しい心があるのかもしれませんね。

瀧教授:そう思います。人は、やっぱり共感したい生き物だと思います。色々な人と、色々な気持ちを伝え合い、そして共感したいのが人間でしょう。

という私も、このようなことを講演で話をしますが、なかなか家族の中で共感ができていないと怒られます。でも、本当にそうですよね。共感は重要です。

大坪氏はい、だから一流の人は、どのような分野の人でも人格的に優れていることが多いように感じます。これは、一流になるための条件とも言える全脳を使うことができると、そういった美しい心が出てくるのではないかと思います。

瀧教授:興味深いですね。私もそう思います。一流の方々は、本当に色々なことに興味もありますし、共感するのも高いですし、謙虚です。そういうところを、私も本当に感じます。

大坪氏イメージ的に、何か境界線がないような感覚がありますよね。人間は、アメーバの脳を奥深いところに持っていると言いますが、そのアメーバの脳のような部分が垣間見えます。アメーバは、周囲と助け合って生きていますので、境界線がないです。あなたが私で、私があなたのような関係、で助け合っています。他にも、カツオノエボシというクラゲがいますが、これは小さなものがたくさん集まってクラゲの1つの機能をつくり上げます。一流の人には、そのように「全体で1つ」のような感覚があるのではないでしょうか。

好奇心と共に大切なこと

大坪氏似た話で言うと、人間の一番初めのショックは、お母さんと自分が別の人間だと気付くことだと言われていますよね。

瀧教授:はい、これは脳医学的にも重要です。これは「自分と他者」「セルフとアザー」と表現されます。この区別がつくのが何歳と厳密に判断するのは難しいのですが、目安は3歳くらいです。それくらいから、自分と外の区別が、徐々についてきます。それが、自我のようなものになり、自分の存在が分かってくるようになります。

だから、先ほどの話でいえば、「自分と他者」という区別は発達過程で必要なことですが、他者を自分と全く別のものと考えずに、自分と関わりのある大切な人だという気持ちになると良いと感じました。

大坪氏脳の奥深いところは、右脳経由で出てくると言いますよね。全脳が使えるようになるとそういったものが発揮できるようになるのではないかと思います。

瀧教授:そうですね。私たち医学で言えば、いわゆる奥深いところを辺縁と言い、それをコントロールするのが、いわゆる大脳新皮質です。そこがバランス良く作用すると、まさにその通りだと思います。

大坪氏反対に、あんまり大脳皮質的になりすぎると、論理的になりすぎて、そういった奥深いところの働きが鈍くなるということでしょうか。

瀧教授:そうかもしれないですね。一方、でこういうところのコントロールがうまくできないと感情のないようになってしまいますよね。

大坪氏そうなってくると、相手の立場に立つとかが難しくなりコミュニケーションが難しくなりますね。だから、両方のバランスが重要ということでしょうか。

では、これまでのことをふまえて、子どもの頃に理想的な脳の配線をつくることに視点を変えると、どのようなことになるでしょうか?

瀧教授:今のお話からいきますと、やはりコミュニケーションや共感性は、とても大切だと思います。先ほど「好奇心」の話をしましたけれど、もう一つの大切な概念は、そのような「コミュニケーション」「共感性」だと思います。

共感性は、言い換えると相手が何か苦しんでいるときに、自分が相手の立場に立って相手の気持ち、痛みとか理解する能力と言えるでしょう。共感性こそ、コミュニケーションをするうえで重要な肝だと思います。

今相手の方が、どういう事を考えていて、何を訴えようとしているのか。こういうことに気が付いて、それで適切な行動をする。これこそが大切なことでしょう。その共感性を、どのようにして伸ばすかが大切だと考えます。

今は、その共感性の研究が徐々に進んできています。その研究結果から分かった一つが、1970年代、1990年代、2000年代、現在と、人の共感性がどんどん下がってきていることです。

これはショッキングなデータです。同じ年代の大学に上がってくる方に対して同じ共感性を見るための質問集をやると、1990年代より今の方が落ちていると。そこで、これはなぜ起きているのかと調べると、これはどうもやっぱりメディアの影響だと考えられます。まさにSNSのようなものが影響していると考えられます。

結局、私たちのコミュニケーションは、相手と対面で顔を合わせて、表情、仕草、声の抑揚をもって相手の感情を理解するのです。楽しい、悲しい、ちょっと怒っているかなとか。

ところが文字情報だけだと、SNSの「おはよう」とか「こんにちは」「元気」と文字情報だけで、表情など、他の情報が全く入ってきません。つまり、共感性を磨く機会が減っているから、共感性が落ちているのではないかと考えられます。

そして、それを考えると、私たち親の立場、大人の立場として考えるべきことは、やはり、この対面でのリアルなコミュニケーションの機会をいかに保つかに尽きると思います。

「電子書籍」と「紙の本」効果的なのは?

大坪氏例えば、ディスプレイに触れる時間を減らすということでしょうか。

瀧教授:そうですね。もちろん、現代を生きる私たちは、IT社会の中で生きているので、例えば、スマートフォンやタブレットを取り上げるのは現実的ではないかと思います。ただし、そのような時間をできるだけ減らし、親子や友人同士の顔を合わせたコミュニケーションを取る時間を確保することが大切かと考えます。このようなところから心や、共感性、コミュニケーションを伸ばすうえで、一番大切なのではないでしょうか。

大坪氏どうもディスプレイや電子ブックで本を読むのと、紙で読むのとでは、脳の使っている場所が違っているらしいですね。

瀧教授:これもなかなか難しい部分があるのですが、たしかにディスプレイというのはいろんな意味で難しいです。インターネットであれば、リンクを辿っていろんなところにいってしまい、集中しているようで実は注意が拡散しているときもあります。もちろん物理的にバックライトが必要以上に覚醒効果を与えてしまうなど、色々な影響があると言われています。

だから、難しい部分もあると思うのですが、本は本物の本、いわゆる本として読んだほうが良いかなと思います。特に子どもの頃は。

大坪氏それに関連してこのような実験があるようです。まだ歩いていない赤ちゃんに、同じ年齢で歩いている赤ちゃんの「等身大のライブ映像」と見せたときと、「隣に連れていったとき」の違いを調べる実験です。

どうやら、いくら等身大のライブ映像でも、まだ歩いていない赤ちゃんは反応することはなかったようです。反対に、隣に連れていくと、同じように歩こうと反応したようです。これによって、ミラーニューロンの効果は、ディスプレイでは得られないとされたと聞きます。

瀧教授:おそらく程度問題ではあると思うのですけど、バーチャルなものよりはリアルなものが良いというのは、私たち本能としてあるのでしょう。それが、赤ちゃんでもあるのだと思います。

だから、いくらVRなどが進んでも、本当に旅行した気分にはなれないのでしょう。本当に行くのと行かないのでは全く違うということだと考えます。やはり、私たちはコミュニケーションしても、色々な体験にしても、リアルなことは重要だと思います。だから、教育もそうだと思うのです。とにかく、リアルで色々な体験をすることが大切なのです。

大坪氏そうですよね。脳のところで考えると、脳波がちょうど良い状態になると、スポーツ選手がゾーンに入り100%発揮できると言われています。だからなのか、最近、ビジネスの世界で、瞑想の研修が流行っていますけど、それはやはり脳波をちょうど良い状態に持っていくのにやっているようですね。

瀧教授:たしかにいわゆる一種のマインドフルネスのようなところですよね。海外の大企業なども日本以上に禅とかヨガとか呼吸法とか、いわゆるマインドフルネスに注目しています。これはストレスレベルを下げて、心の平穏に持っていくことが、仕事の効率を上げるといわれています。それが、アスリートのパフォーマンスも上げるということですよね。それは面白いです。その通りかもしれません。

大坪氏50年前の百科事典が半分間違っていたように、これから色々なことが出てくると思います。だから子どもたちが生きる、これから発展する未来は、今までとは変わってくるのでしょう。単純に、マークシートを解けば良いという時代が変わってきますからね。

瀧教授:もう劇的に変わるかもしれませんからね。ただし、私たち人間は、決して変わることなく、コミュニケーションをして生きていく生き物である以上、やはりそういうとこのスキルはしっかりと持っておくことは大切ですよね。どれだけプログラミングが流行ろうとも、どれだけ何かが流行ろうとも、人間の本質というのは大事ですよね。

大坪氏そうですね。だから、これまでは認知能力だけに注目してきましたが、これからは非認知能力も。これから重要になるのでしょう。

瀧教授:そうですね、認知能力に加えて、非認知能力もおそらく非常に重要になってくるのかなと思います。

大坪氏ある意味人間的になって、いい時代って感じですよね。

瀧教授:AIが発展すると、私たちはより人間的になっていいかもしれないですね。

大坪氏そうですね。より感性みたいなものが問われるような時代になるって事ですね。

瀧教授:いい時代かもしれないですね。

大坪氏はい。では今日は長時間ありがとうございました。またお会いできることを楽しみにしております。

瀧教授:こちらこそ、楽しみにしております。

 

瀧 靖之(たき やすゆき)プロフィール

 

瀧 靖之(たき やすゆき)プロフィール
東北大学加齢医学研究所教授。医師。医学博士。

1970年生まれ。1児の父。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授。
脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。『16万人の脳画像をみてきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)、『生涯健康脳』(ソレイユ出版)は、10万部を突破するベストセラー。最新の脳研究をふまえた「科学的な子育て法」を提案し、その中でも図鑑を子どもの脳を一番のばすツールとして推奨している。また、そのハウツーは、さまざまな教育系メディアにも取り上げられ、話題となっている。

<主な幼児教育関連著書・監修書籍>

※本をクリックするとamazonの書籍紹介ページに移動します

 

大坪 信之(おおつぼ のぶゆき)プロフィール

 

大坪 信之(おおつぼ のぶゆき)プロフィール

株式会社 コペル 代表取締役。福岡大学人間関係論非常勤講師。一般社団法人徳育学会会長。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー。
2児の父。1963年福岡県生まれ。大学卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社にてシステム開発や営業業務に従事する。自身の子育て中の経験から幼児教育に興味を持ち、1994年に徳育教室(現コペル)を設立。幼児教室コペルの運営を通じて、子どもの心の教育を志し、様々な研究に取組んでいる。全国各地で子育てセミナーや子どもの潜在能力を引き出すための講演活動なども多数実施。

<主な幼児教育関連著書・監修書籍>

※本をクリックするとamazonの書籍紹介ページに移動します